日米財務相会談:イラン産原油の輸入削減で合意-為替も議論に(4)
1月12日(ブルームバーグ):安住淳財務相とガイトナー米財務長官は12日午前、財務省内で会談し、日本の原油輸入の10%を占めるイラン産原油についてシェアを削減することで一致した。日本側が米側の要請を踏まえ、計画的削減に応じる考えを表明した。会談後、両財務相が同省内で記者会見し、明らかにした。為替問題についても議論したが、詳細については明言を控えた。
安住財務相はガイトナー長官に対し、イラン産原油について過去5年間で40%の輸入量を削減したと説明。その上で、「核開発の問題は世界にとって看過できない問題である」とし、イランに対する制裁措置を強化した米国に理解を示した上で、「今のシェアをできるだけ早い段階で計画的に減らしていく行動を具体的に措置したい」と語った。
一方で、イランのエネルギー業界や中央銀行と取引した金融機関を含む企業・個人を罰する措置に関しては、「時間が必要だ」として邦銀を対象から外すなど、「日本の国情に合った対応」ができるよう米側に求めた。ガイトナー長官はイラン制裁の一環として同国産原油の輸入縮小を求めるため、10日から中国と日本を順次訪問。中国では温家宝首相らと会談したが、イランをめぐる協議を行ったか両国とも明らかにしていない。
財務相は同日午後、都内で行った講演で、「金融機関などへの制裁措置の発動まで60日しかなく、時間的な猶予が全くない」とし、邦銀への適用例外を設けるよう申し入れたことを明らかにした。また、国際協力銀行(JBIC)の対イラン融資(2000億円)が返済されない可能性がある点も指摘。その上で、「一律に制裁すれば日本が被害を被ることもある」と述べ、日米間で詳細を詰め、日本経済のデメリットにならないような着地点を見出したいと語った。
米国では、イランでの核兵器開発疑惑が強まっているとして、エネルギー・銀行分野などでイランとの取引が禁止される対イラン制裁強化法が昨年末、成立。各国にも協力を要請している。同国産原油については中国が輸入量1位、日本が3位を占めている。
「ボルカールール」に懸念表明-日本側
為替問題では、新興国通貨がより柔軟な為替制度を取ることが重要で、共通の利益であると一致した。日本の財務省幹部が記者説明で明らかにした。ガイトナー長官は会見で、協議内容の詳細は説明しなかったものの、「米国はより柔軟な為替レートを求める」との認識を示していた。
同幹部によると、安住財務相は米国が進めている銀行の自己勘定取引などを制限する「ボルカールール」の適用に対し、世界経済に影響を与えかねないとして懸念を表明、日米間で緊密に協議するように求めたという。
会談では、欧州債務危機についても議論。安住財務相は「欧州自身がファイアーウォール(防火壁)を強化すべきとの認識で一致した」と述べた上で、「その次の段階として欧州外の協調体制について国際通貨基金(IMF)も含めて貢献の在り方について議論する」と語った。
これに対し、ガイトナー長官も「欧州経済は今後厳しい道のりとなる。より強力な金融のファイアーウォールが必要だ」と述べるとともに、IMF支援で十分な用意があるとの認識を示した。
また、安住財務相は中国人民元について「中国の実体経済を反映した人民元の柔軟化を求めていきたい。実体経済が為替に反映することが一番適切だ」と指摘。「国際社会の要求に基づいてより柔軟な為替レートの採用を米国とともに求めて行きたい」との考えを示した。
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更新日時: 2012/01/12 18:46 JST