債券先物が小幅安、株価堅調で売り優勢-長期金利1.33%で横ばい推移
3月3日(ブルームバーグ):債券市場では先物が小幅安(利回りは上昇)。株価が小幅プラス圏で堅調に推移したことを受けて売りが優勢だった。一方、前日の10年国債入札が順調な結果となり、現物市場の需給の良さが示されたことから長期金利は横ばい推移となった。
三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、米雇用統計の発表待ちであるほか、前週に金利が下がる局面でいったんは国債償還対策の買いが入った可能性があると指摘。ただ、足元の好需給を考えると長期金利は下げ余地を残す展開との見方も示した。
東京先物市場の中心限月3月物は前日比9銭高い139円90銭で始まり、開始後いったんは139円94銭まで上昇した。しかし、株価が底堅く推移したことを嫌気して売りが膨らむと、午後には一時139円77銭まで下げており、結局は3銭安の139円78銭で引けた。
前日の米国市場が総じてもみ合いとなったため、国内債券市場も手掛かりに材料に欠ける展開となり、朝方に反落した日経平均株価が小幅プラス圏に切り返すと債券先物市場で売り材料視された。
もっとも、前日には10年債入札が好調に終わったため、現物需給の良さが相場を支えるとの見方もあった。岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、株価が小高く推移したことが債券先物に多少は影響したとしながらも、投資家はいずれかのタイミングで3月の償還資金を債券に再投資するとみており、「限月交代に伴う買い戻しが視野に入る先物相場の下げ余地も限定的」との見方を示した。
10年債利回りは1.33%
2日に入札された新発10年物の306回債利回りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.325%で始まり、その後は1.33%での横ばい推移に終始した。
前日の10年債入札が順調だったことを受けてこの日の取引でも好地合いが維持された。306回債の入札結果によると、最低落札価格は100円60銭となって市場予想の100円59銭を上回った。また、平均価格100円62銭との格差であるテールは2銭に縮小して、昨年10月入札以来の水準となっており、潜在的な需要の強さが示された。
もっとも、5日に市場の注目度が高い米雇用統計の発表を控えているため、投資家が新規に債券残高を積み増す動きは強まらなかった。RBS証券の徐瑞雪ストラテジストは、10年債入札で好需給を確認したものの、期末接近のタイミングで売買は控えられているといい、「米国の雇用統計発表を前に当面はレンジ相場が続く」と予想していた。
大和住銀投信投資顧問の横山英士ファンドマネジャーは、償還資金が戻る投資家はいずれ買いに動く必要に迫られるとしながらも、一方で金利上昇を待つ余裕もあるとみており、「米雇用統計後に金利が下がる可能性はあっても急いで買いに動く雰囲気はない」と指摘した。
限月交代前に先物買いの観測も
先物3月物は11日に売買最終日を迎えるため、今後は中心限月移行に伴う売買動向にも注目が集まりそう。
3月物は2月4日の終値138円80銭より1円近くも高く推移しているため、相場水準からは売り方にとって不利の情勢。米国の雇用統計で景気回復期待が強まれば来週以降に相場が下げる可能性もあるが、岡三アセットの山田氏は、10年債の入札通過や国債償還など需給要因から相場急落は考えにくく、「3月物は来週にかけて恒常的に買い戻し圧力がかかりやすい」と読む。
三井住友海上きらめき生命の堀川氏も、現物市場で買い余力があるだけに先物の売り方は厳しい情勢だといい、「3月物が140円のカベを上抜けると踏み上げ相場に展開するのではないか」とみていた。
先物3月物は昨年12月21日に140円32銭まで上昇したが、その後は米国の景気回復期待やこれに伴う米金利上昇が売り材料視され、1月8日には一時138円56銭まで売り込まれた。しかし、その後は139円台前半を中心としたもみ合いが続いており、前週以降は昨年後半の水準まで切り上げての取引が続いている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 赤間信行 Nobuyuki Akama akam@bloomberg.net
更新日時: 2010/03/03 16:16 JST