ユーロの上値が重い、ギリシャ問題警戒―対円で一時4週間ぶり安値
1月18日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではユーロが上値の重い展開となった。市場ではギリシャの財政問題など欧州のソブリンリスクに対する警戒感が根強く、対円では一時、約4週間ぶりユーロ安値を付ける場面が見られた。
カリヨン銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏は、ギリシャ問題がユーロの重しになっているとした上で、「株も下げているし、前週末の米大手金融機関の決算発表からリスク回避の動きが強まっている」とユーロ売り・円買いの背景を説明。民主党の小沢一郎幹事長をめぐる政治資金問題など「日本の政治問題も株にマイナスの影響を与えており、円買いが一番強いということだ」と話す。
ユーロは対円で一時、1ユーロ=130円9銭まで下落し、昨年12月22日以来の安値を更新。対ドルでも一時、1ユーロ=1.4335ドルと今月8日以来の安値を付けた。
一方、ドル・円相場は1ドル=90円台後半を中心に円が底堅く推移し、一時は90円72銭と前週末に付けた昨年12月21日以来の円高値(90円60銭)に迫る場面も見られた。
ギリシャ問題
国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は15日、欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)だけでギリシャの財政安定化支援が不可能な場合は、IMFが協力できるとの見解を示した。ユーロ圏16カ国の財務相らは18日にブリュッセルで会合を開き、ギリシャ問題を協議する。
みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、市場ではギリシャの財政問題などユーロ圏側のマイナス要因が注目されていると指摘。このため、ユーロはドルや円と比べて、「一番下落圧力が強い」と説明する。
一方、午後にかけてはユーロ売りも一服し、対円では131円ちょうど付近、対ドルでは1.43ドル台後半まで値を戻している。カリヨン銀の斎藤氏は、「きょうは米国市場が休みなので早めにポジション調整が出てしまっている。株も幾分下げ渋りとなっており、マーケットは薄い」と解説している。
株安でリスク許容度低下
前週末の欧米株式相場は下落。JPモルガン・チェースの10-12月期決算や1月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数の下振れ、商品安が嫌気された格好で、週明けの東京株式相場も3営業日ぶりに反落した。
株安は投資家のリスク許容度低下につながるため、為替市場では高金利通貨を売って、低金利の円やドルを買い戻す動きが強まりやすくなる。もっとも、アジア株は徐々に下げ渋る展開となり、午後にかけては高金利通貨を買い戻す動きも見られた。
バンク・オブ・アメリカ-メリルリンチの藤井知子シニアFXストラテジストは、小沢幹事長をめぐる政治資金問題について、「本来ならば円安要因だろうが、そのほかの円のポジティブ要因があるので、見えにくい」と分析。その上で、「今週は米金融機関の決算や中国の経済指標の発表があり、そうした材料の方を重視せざるを得ない」としている。
米銀決算、中国指標に注目
この日はキング牧師生誕記念日のため、米国市場は休場。一方、今週は19日にシティグループ、20日にモルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカ、21日にゴールドマン・サックス・グループと、米金融機関の決算発表が相次ぐ。
みずほ証の林氏は、今週は米企業決算の発表が多く控えており、「リスク回避的な動きを強める可能性がある」と指摘。このため、円高に圧力がかかりやすく、ドル・円についても90円ちょうどあたりまでドル安・円高が進行する余地があるとみている。
一方、21日には中国で国内総生産(GDP)や鉱工業生産、小売売上高など複数の経済指標が発表される。中国人民銀行(中央銀行)は今月、予想に反して預金準備率の引き上げを決定。BOA-メリルリンチの藤井氏は、「本格的な引き締めとなるとリスク回避という話にもなるし、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が下げやすい」とした上で、「最近の大きな転換を受けて、中国の指標は非常に注目されるだろう」と語っている。
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更新日時: 2010/01/18 16:47 JST