ドルが対ユーロで9カ月ぶり高値更新、公定歩合引き上げで
2月19日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドルが対ユーロで9カ月ぶり高値を塗り替えている。米連邦準備制度理事会(FRB)による公定歩合引き上げを受け、米国の金融緩和政策が欧州や日本よりも早く「出口」に向かうとの観測が強まっていることが背景にある。
ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.3444ドルまで上昇し、昨年5月18日以来の高値を更新。公定歩合の引き上げが発表された日本時間19日午前6時半前は1.36ドル台前半だったが、その水準から0.02ドル近くドル高が進んでいる。
ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、米国の利上げそのものは景気動向を見ながらということになるが、公定歩合引き上げで、まずは第一歩を動き始めたといった感があると指摘。「足元で米2年債の利回りが上昇しているが、まだまだ上昇余力があり、米金利の先高観が出てくる」として、ドルが買われやすい展開を見込んでいる。
ドルは対円でも1ドル=92円台を回復し、一時92円9銭と1月12日以来の高値まで上昇。また、対ドルでのユーロ売りが先行する中、ユーロ・円相場は1ユーロ=124円台前半から123円台半ばへ水準を切り下げている。
FRBが公定歩合引き上げ
FRBは18日、公定歩合を0.25ポイント引き上げて0.75%に設定した。FRBは公定歩合引き上げについて、金融機関に短期的な流動性の必要性に関してFRBでなく、金融市場への依存を高めることを促すとの声明を発表した。
FRBは声明で、「これらの変更は、FRBの融資手段の一段の正常化を意図している」と表明。また、「家計と企業にとって金融条件の引き締めにつながるとは予想されない。経済と金融政策の見通し変更を示唆するものではない」と説明した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレジデントは、「かなり唐突な感じで、なぜこのタイミングなのかについてはこれからいろいろ憶測なり解説が出てくるだろう」と話す。その上で、「上限金利である公定歩合の引き上げが実体面にどれだけ影響があるかというとそれはないだろうが、方向性としては出口政策に向けての第一歩ととらえられるので、反応はドル買い、ドル金利は上昇する方向になる」と指摘している。
アトランタ連銀、「早期引き締め」意味せず
米アトランタ連銀のロックハート総裁は、米経済の回復基調はなお脆弱(ぜいじゃく)であり、今年は鈍い成長になる可能性が高いとの認識を示した。同総裁はまた、投資家は18日の公定歩合引き上げを、早期引き締めを意味するものと受け止めるべきではないと指摘した。
一方、菅直人副総理兼財務相は19日午前の閣議後会見で、FRBによる公定歩合引き上げを受けて、「結果として円安になっているが、わが国経済にとってマイナスになるとは思っていない。冷静に注目していく」と語った。また、「FRBは正常化したという表現をとっている。米国は物価上昇が続いており、全体の判断としてそういうことが行われた」との認識を示した。
18日の米国債相場は下落(利回りは上昇)。また、景気刺激策の解消により米経済の回復が鈍化するとの懸念から、米株価指数先物は時間外取引で下落している。
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更新日時: 2010/02/19 09:32 JST