7月26日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)
7月26日(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎外国為替市場:ドル下落-住宅統計など手掛かりにリスク選好
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨すべてに対して下落。6月の米新築住宅販売が市場予想を上回る伸びとなったほか、フェデックスが利益見通しを引き上げたことで、高リスク資産の魅力が高まった。
ポンドは対ドルで3カ月ぶり高値に上昇。欧州の銀行を対象としたストレステスト(健全性審査)で、英国の大手行が合格したことを好感した。ドルはユーロに対しては3営業日続落。逃避先通貨としての需要が後退した。
マニュファクチャラーズ&トレーダーズ・トラスト(ニューヨーク州バッファロー)の主任通貨トレーダー、ブライアン・テーラー氏は、「株式相場の上昇に伴い、多少のリスク選好が見られつつある。これはユーロにとってはプラスだ」と指摘。「経済統計では悪くない数字が出てきている」と加えた。
ニューヨーク時間午後4時21分現在、ドルはユーロに対し1ユーロ=1.2991ドルと、前週末の1.2909ドルから0.6%安。ユーロは対円で1ユーロ=112円82銭(前週末は112円90銭)。一時113円48銭と、6月3日以来の高値を付ける場面もあった。ドルの対円相場は0.7%安の1ドル=86円86銭(前週末87円46銭)。
南アフリカ・ランドはドルに対し一時1.3高の1ドル=7.3407ランド。ニュージーランド(NZ)ドルは一時1.1%上昇し0.7355米ドルと、半年ぶり高値を付けた。米株相場の上昇を背景に世界経済の成長と関連した通貨の需要が高まった。
米株式市場では、ダウ工業株30種平均は1%高で終了し、年初来からの下げを埋めた。米新築住宅販売やフェデックスの利益見通しを好感した。S&P500種株価指数は1.1%高で終えた。
新築住宅販売
6月の米新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は、前月比24%増の33万戸。これは1963年の集計開始以降でなお2番目に低い水準。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト予想の中央値は3.3%増だった。
小荷物輸送で米2位のフェデックスは、6-8月(第1四半期)および通期の利益見通しを上方修正した。国際速達便などの需要改善が背景。
ポンドはドルに対し一時、0.6%高の1ポンド=1.5520ドルと、4月15日以来の高値に上昇。英金融サービス機構(FSA)は23日、電子メールで、HSBCホールディングスとバークレイズ、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)がストレステストに合格したと発表した。
ユーロ見通し
欧州経済に対する信頼感の高まりと米国の景気減速の兆候が相まって、ユーロ弱気派は勢いを失いつつある。
ゴールドマン・サックス・グループやウェルズ・ファーゴはここ2週間でユーロの見通しを引き上げており、HSBCやドイツ銀行もユーロ上昇を見込んでいる。
みずほフィナンシャルグループのシニア為替トレーダー、柳原秀敏氏(ニューヨーク在勤)は、為替市場は米経済の見通しにはなおも懐疑的だと指摘した。
◎米国株式市場:続伸、ダウは年初来プラス-住宅販売増が手掛かり
米株式相場は続伸。ダウ工業株30種平均は年初来プラスで引けた。フェデックスの利益見通し引き上げや、新築住宅販売が予想を上回ったことで、景気不安が和らいだ。
世界経済成長の先行指標的な銘柄とされる小荷物輸送のフェデックスと同業ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、いずれも上昇。住宅建設のパルト・グループとレナーも買いを集めた。バイオテクノロジーのジェンザイムは2009年2月以来の高値。同社をめぐる買収競争が展開するとの観測で値上がりした。
S&P500種株価指数は前営業日比1.1%高の1115.01。年初来ではわずか0.1%未満の値下がり。ダウ工業株30種平均は100.81ドル(1%)高の10525.43ドル。年初来では0.9%の上昇。
フェデレーテッド・インベスターズ(ニューヨーク)の株式市場チーフストラテジスト、フィリップ・オーランド氏は、「株式市場は上昇相場に向かっている」と述べた。「フェデックスのような指標的企業の見通し引き上げは同社だけにかかわるのではなく、世界経済全体に意味をもたらす。また新築住宅販売の数字は思っていたよりずっと良かった」と述べた。
先週はUPSやアップル、フォード・モーターの決算が予想を上回ったことから、経済への信頼感回復への期待が高まり、株式相場は上昇。ブルームバーグのデータによると、S&P500種採用銘柄のうち、12日以降発表された152社の決算では、約84%がアナリスト予想を上回った。今週は同採用銘柄の160社以上が四半期決算を発表する。
買いに方針転換
米ヘッジファンド、トラクシス・パートナーズの共同創設者である投資家バートン・ビッグス氏は、株価上昇を見込んだ持ち高の比率を75%とし、3週間前の約35%から引き上げたと述べた。
2009年に38%のリターンをもたらした実績がある同氏は、ブルームバーグラジオの番組「ブルームバーグ・サーベイランス」のホスト、トム・キーン氏のインタビューに対し、「市場のリスクの度合いについて、私は完全に見方を変えた」と述べ、「過去10日から2週間にかけて、世界の経済統計はより明るい内容となっており、ほぼ例外なく予想を上回っている。世界経済が著しく減速するという見方は後退した」と説明した。
S&P500種の運輸株指数は採用9銘柄がすべて値上がりし、業種別24種中では2位の2.4%上昇となった。20銘柄で構成するダウ運輸株価平均は2.6%上昇し4482.09と、5月14日以来の高水準。ボリンジャーバンドの上のラインを上抜いた。テクニカル分析ではこの線を上回ると一段高を示唆するとみている。
フェデックスとUPS
フェデックスは5.6%上昇。小荷物輸送で米2位の同社は、国際速達便の需要拡大を理由に通期利益見通しを引き上げた。
最大手のUPSは1.9%値上がり。22日には通期の業績見通しを引き上げ、米経済の回復は続くとの見方を示したことから、2カ月ぶりの大幅高となっていた。
ジュリカ・ミルズ・アンド・ケイファーの社長兼最高投資責任者(CIO)、カール・ミルズ氏は、「企業決算はかなり良好だ。国際的な取引にかかわっている企業は特に好調だ」と指摘。「少なくとも国際通商においては、経済活動は強まりつつあることが示唆されている」と続けた。
S&P住宅建設株指数(12銘柄構成)は2.9%上昇。パルトは4.7%、レナーは3.3%の値上がり。
新築住宅販売
米新築住宅販売は6月に増加し市場予想も上回った。前月は住宅税控除の終了に伴い過去最低水準に落ち込んでいた。
米商務省が26日発表した6月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比24%増加し、33万戸となった。これは1963年の集計開始以降でなお2番目に低い水準。前月は26万7000戸と、速報値(30万戸)から下方修正された。
ターナー・インベストメント・パートナーズ(ペンシルベニア州バーウィン)のクオンツ戦略責任者、デービッド・コバックス氏は、「住宅に関する統計では過去2カ月の数字があまりにも悲惨だったため、どんな緩慢なものでも改善であれば、株式投資家には大歓迎される」と説明した。
◎米国債市場:10年債利回り、約1週間ぶりに3%超える
米国債市場では10年債利回りが過去1週間余りで初めて3%を超えた。米景気回復のペースに懐疑的な買い手にとって魅力的な水準となったため、その後は低下した。
国債相場はこれより先、すべての年限が下落。2年債利回りは過去最低水準付近から上昇していた。6月の米新築住宅販売件数が増加したことから、逃避先としての米国債需要が減退した。米財務省は今週実施する総額1040億ドル規模の入札に向け準備を進めている。
ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リ氏(ニューヨーク在勤)は、「10年債利回りが3%を超えたことで、一部の投資家を市場に引き寄せた。それが利回り低下につながった」と指摘。「利回り3%は10年債にとって妥当な下値支持線だ。市場参加者はリスク資産の比重を高めたくないため、国債が恩恵を受けている」と述べた。
BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは2.99%。一時は3.03%と、16日以来初めて3%を上回った。同年債(表面利率3.5%、2020年5月償還)価格は104 1/4。2年債利回りは0.59%。23日は過去最低の0.5516%を付けた。
インターバンク・ブローカー最大手の英ICAPのデータによると、米国債の出来高はニューヨーク時間午後4時3分現在、約1460 億ドル。過去3カ月間の1日平均は2460億ドル。
米国債入札
米財務省は今週3回の入札を実施する。発行額は27日の2年債が380億ドル、28日の5年債は370億ドル、29日の7年債は290億ドル。発行総額は2009年6月以来の最低となる。
国債相場は下げを埋めた。社債を発行している企業が、金利リスク管理の戦略の一環として、米国債を購入したとの観測が強まった。
ブルームバーグのデータによると、企業による起債は今月に入ってこれまでに総額713億ドル。先週はこのうちの237億ドルを占めた。6月の起債総額は698億ドル。
ブルームバーグのデータによれば、米アルミ生産最大手のアルコアは26日、10億ドルの社債を発行した。2年ぶりの大規模起債となった。また、米原子力発電所運営会社エクセロンが所有するシカゴ本拠の電力会社コモンウェルス・エジソンは、10年物の債券を5億ドル発行した。
住宅販売
米商務省が発表した6月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比24%増加し、33万戸となった。これは1963年の集計開始以降でなお2番目に低い水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は31万戸だった。前月は26万7000戸と、速報値(30万戸)から下方修正された。
10年債利回りは4月15日に年初来最高水準の4.01%を付けて以降、1%以上低下している。景気減速の兆しから最も安全な資産の一つとされる国債の需要が膨らんだ。
今週発表される信頼感に関する指標では、米国民が経済についてより悲観的になっていることが示される見通しだ。ブルームバーグがまとめた調査では、米民間調査機関のコンファレンス・ボードが27日発表する消費者信頼感指数は前月の52.9から51への低下が見込まれている。
商務省が30日発表する第2四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.5%増加したもよう。1-3月(第1四半期)は同2.7%増だった。
◎金先物市場:下落、ストレステスト発表受けたユーロ上昇に反応
ニューヨーク金先物相場は2営業日続落。ユーロの対ドル相場が上昇し、欧州債務に対する懸念が弱まる中で、安全への逃避先としての金への需要が後退した。
23日に監督当局らが発表したところによると、欧州の銀行に対して実施されたストレステスト(健全性審査)では、大半の銀行が金融危機に耐える資本があると査定された。ユーロはドルに対して3営業日続伸。金は6月21日に付けた過去最高値の1オンス=1266.50 ドルから6.6%下げている。ユーロ建ての金相場も前月、過去最高値を更新した。
フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は「現時点では欧州から悲惨な話は入ってきていないため、金はこう着状態となっている」と指摘。「トレーダーの動きは利益確定の売りを出す時も、買い戻す時もいずれも早い」と語った。
◎原油先物市場:変わらず、住宅統計と気象要因の間でもみ合い
ニューヨークの原油先物相場は変わらず。バレル当たり79ドル近辺でもみ合った。米新築住宅販売が予想を上回る伸びとなったことが強材料となった一方、熱帯性暴風雨「ボニー」が石油プラットフォームや製油所に打撃を与えることなく勢力を弱めたことが売りにつながった。
米商務省が発表した6月の新築一戸建て住宅販売は前月比24%増加し、33万戸となった。前月は住宅購入者向けの税控除措置終了により過去最低水準に落ち込んでいた。住宅統計の発表を受けて株が買われ、原油は一時0.4%上昇した。一方、ボニー接近に備えて退避していたメキシコ湾の石油労働者は作業に復帰した。
リンド・ウォルドック(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、リチャード・イルチスジン氏は、「住宅統計は一部の予想ほどは悪くなく、株にやや強気な材料となり、原油もつれ高した」と指摘。「時間外取引では、暴風雨が発達せずに勢力を弱めたことで、かなりの売りが出された」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は1バレル=78.98ドルと前日比変わらず。年初からは0.5%下げている。22日には79.30ドルと、5月5日以来の高値で引けていた。
◎欧州株式市場:5日続伸、アライド・アイリッシュなど銀行高い
欧州株式相場は5営業日続伸。欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)で大半が資本が足りていると査定されたほか、6月の米新築住宅販売が予想を上回る伸びを示したことで買いが集まった。
アライド・アイリッシュ銀行は5.6%高。ベルギーのデクシアは9.1%上昇し、銀行株価指数の上げをけん引した。英石油会社のBPは4.6%高。同社がトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)更迭を計画しているとのニュースが手掛かりとなった。
一方、英製薬会社のグラクソ・スミスクラインは1.3%安。同社が米バイオテクノロジー企業ジェンザイム買収に関心があるとの報道が買いにつながった。
ストックス欧州600指数は前週末比0.5%高の257.12と、6月22日以来の高値で終了した。同株価指数は4月15日に付けた年初来高値からはなお5.5%値下がりしている。多額の債務を抱える欧州各国政府が歳出を削減するなか、景気回復が弱まるとの懸念が深まったことが背景にある。
BOAメリルリンチの欧州株式戦略責任者、ゲーリー・ベーカー氏(ロンドン在勤)は、「経済データ自体は引き続き改善を示している」と指摘。「実体経済は総じて良い。バリュエーション(株価評価)も市場を下支えしており、引き続き明るい見通しにつながっている」と述べた。
欧州の91銀行を対象としたストレステストでは、通過しなかったのは7行で、不足する資本総額は35億ユーロ(約3900億円)だった。ゴールドマン・サックス・グループのアナリストらはこの額を380億ユーロ、バークレイズ・キャピタルは850億ユーロとそれぞれ見込んでいた。
◎欧州債券市場:独2年債下落、ストレステスト通過で安心感
欧州債市場ではドイツ2年相場が下落。前週末に公表された欧州ストレステスト(健全性審査)審査で不合格となったのは91行中の7行だったことから、安全資産への逃避が後退した。
独10年債利回りは1カ月ぶり高水準に近づいた。欧州銀行監督者委員会(CEBS)は、不足している資本は総額35億ユーロと結論付けた。一方、審査結果を受けて高リスクとされる資産への需要が高まり、スペイン国債を中心に周縁国の国債相場は上昇した。
クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の欧州金利ストラテジー責任者、ルカ・ジェリネク氏は、市場参加者が「景気回復の継続を確信するのに伴い、金利は今後上昇していくだろう」とし、「ストレステストの厳しさをめぐっては意見の相違があるものの、欧州の銀行の基盤はかなりしっかりしている。今後のスプレッド縮小につながるだろう」と述べた。
ロンドン時間午後4時7分現在、独2年債利回りは前週末比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.83%。同国債(表面利率0.5%、2012年6月償還)価格は0.14ポイント下げ99.39。独10年債利回りは4bp上昇の2.76%と、先月21日以来の高水準となった。
スペイン10年債利回りは12bp低下の4.27%。ドイツ債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は17bp縮小し148bpと、5月25日以来の最小となった。イタリア10年債のプレミアムは9bp縮小の123bp。ポルトガルとギリシャ、アイルランドの国債とドイツ債とのスプレッド(利回り格差)も縮小した。
◎英国債市場:下落、ストレステスト結果に反応
英国債相場は下落。先週末公表された欧州ストレステスト(健全性審査)結果で英国の主要銀行が合格し、金融危機に耐え得ることが示された。
10年債利回りは前週末比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.45%。2年債利回りは3bp上げ0.9%。両債のスプレッド(利回り格差)は255bpと、昨年12月以来の最小となった。
ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率)はプラス5.2%。これに対しユーロ圏の国債はプラス3%、米国債はプラス6.1%となっている。
英金融サービス機構(FSA)は23日遅く、HSBCホールディングスとバークレイズ、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が欧州ストレステストに合格したと発表した。
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更新日時: 2010/07/27 07:16 JST