Updated: Tokyo  2010/09/09 19:25  |  New York  2010/09/09 06:25  |  London  2010/09/09 11:25
 

3月11日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

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3月11日(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

  ニューヨーク外国為替市場ではユーロが大半の主要通貨に対して上昇。欧州債市場ではドイツ国債が約2週間ぶりの安値に下げ、ギリシャの財政危機が収拾したとの投資家の楽観が反映された。

一方、ドルはニュージーランド・ドルや南アフリカ・ランドに対して上昇。中国が成長抑制策に動くとの観測や、1月の米輸出と輸入の両方が減少したことで、リスク資産への投資意欲が薄らいだ。スイス国立銀行(中央銀行)が「行き過ぎた」フラン上昇を抑制するための介入実施の姿勢をあらためて示したことから、スイス・フランは対ユーロで下落。スイス中銀は政策金利をゼロに近い現行水準で据え置いた。

  バンク・オブ・ノバスコシアの通貨戦略担当ディレクター、カミラ・サットン氏(トロント在勤)は、「ギリシャ情勢はかなり安定した」と指摘。「毎日、少しずつ上昇している。ユーロにとって概して良好な兆候だ」と述べた。

  ニューヨーク時間午後3時41現在、ユーロは対ドルで前日比0.1%上昇の1ユーロ=1.3676ドル(前日は同1.3657ドル)。対円では0.2%上昇の1ユーロ=123円83銭(前日は同123円62銭)。ドルは対円で1ドル=90円55銭。前日の90円52銭からほぼ変わらず。

ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.18%。2日前の3.11%から戻したのは、ギリシャの債務問題取り組みへの反応でリスク資産への需要が回復している兆候と受け止められている。同利回りはこの日、3.2%をつけ、2月23日以来の高水準に達した。

「パニック的な売り」

米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授(経済学)は、ユーロの対ドル相場が今年に入り4.5%下落していることについて、ギリシャの財政危機に端を発した「パニック的な売り」との見方を示した。

  フェルドシュタイン教授は11日放送のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「比較的良好な貿易収支にもかかわらずユーロは下落している」と指摘。「これはある種根拠のないパニック的な売りだ。市場参加者は『何が起こっているのか分からない。ひとまず様子見に回り、ユーロから資金を引き揚げる』と言っている」と語った。

中国国家統計局が発表した2月の同国の消費者物価指数(CPI)は、前月を上回る伸びを示し、上昇率が1年4カ月ぶり高水準となった。

2月のCPIは前年同月比2.7%上昇と、1月の1.5%上昇を上回る伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト29人の予想中央値は2.5%上昇だった。

米貿易収支

  1月の米貿易赤字は予想外に縮小した。財とサービスを合わせた貿易収支(国際収支ベース、季節調整済み)は373億ドルの赤字と、前月の399億ドル(速報値402億ドル)の赤字から赤字幅が6.6%縮小した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は410億ドルの赤字だった。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査担当ディレクター、キャシー・リーン氏は、「輸入と輸出の両方が減少するようでは、成長シナリオは描けない」と語る。「リスク通貨が売りを浴びているのはそのためだ」と説明した。

スイス・フランは対ユーロで下落。スイス中銀はこの日の政策決定会合で、3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の誘導目標を0.25%で据え置くことを決めた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では19人全員が据え置きを予想していた。

「世界で最も受け入れられた通貨」

南アフリカ・ランドは対ドルで3日連続安。貴金属価格が下落し、南アフリカの鉱工業生産の伸びがアナリスト予想を下回ったことから、昨年のリセッション(景気後退)からの回復ペースが鈍っている兆候と受け止められた。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は米金融市場が健全で、政府の支出が持続可能な限り、米ドルが準備通貨としての地位を維持するとの見方を示した。

S&Pでソブリン格付け委員会の委員長を務めるジョン・チェンバーズ氏(ニューヨーク在勤)は11日に配布したリポートで、米ドルは米国発の世界的なリセッション以降も「世界で最も受け入れられた通貨だ」と指摘した。

◎米国株式市場

  米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は2008年10月以来の高値に上げた。シティグループを中心に金融株が上げたほか、米医療保険改革法案の議会通過は難しいとの観測が広がった。

シティグループは上昇。ビクラム・パンディット最高経営責任者(CEO)は、同行が継続的に利益を生み出せる環境にあると述べたのが好感された。ザイオンズ・バンコープも上昇。1-3月期は純利子差益が改善するとの見通しを示したことが買い材料だった。

医療保険のコベントリー・ヘルス・ケアとエトナはいずれも上昇。民主党が計画していた米医療保険改革法案の通過を容易にするための「調整」というプロセス適用が困難になったとの見方が要因。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1150.24。一時は0.6%まで下げる場面もあった。中国のインフレが予想以上に加速したことから同国が利上げに踏み切るとの観測が背景だった。ダウ工業株30種平均は44.51ドル(0.4%)上げて10611.84ドル。

ホランド(ニューヨーク)で40億ドル以上の資産運用を監督するマイケル・ホランド会長は、「S&P500種の1150という水準は、一部で重要な節目と受け止められている」と述べ、「ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は改善している。悪材料が出ても市場の信頼感が揺らがないのは良いことだ」と述べた。

S&P500種は1月19日に1年3カ月ぶり高値の1150.23で引けたが、その後2月8日までに8.1%下落した。ギリシャを含む欧州の複数国の財政に対して懸念が広がったほか、景気回復に伴い米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急措置を縮小する必要があるとの見方が材料だった。

金融株

シティグループを中心に金融株が上昇。S&P500種産業別10指数の中で値上がり率最大だった。パンディットCEOは、米政府が保有する27%の株式の売却を検討していても「驚くことはないだろう」と述べた。ザイオンズは4.6%上昇した。

ジョージア州のシノーバス・ファイナンシャルは9%高。同行は2年連続で赤字だったが、今年は黒字を確保できる見込みだと述べた。

S&P500種に採用されるヘルスケア関連株は0.4%上昇した。エトナは3.3%、コベントリーは3.4%上昇した。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズ(インディアナ州サウスベンド)で25億ドル相当の資産運用に携わるスコット・タプリー氏は、「医療保険改革法案は完全に終わったとの確信を強めた」と語り、「近い将来に大規模な変革が実現する見通しはもうないことから、投資家はほっとしている」と述べた。

エネルギー株

S&P500種産業別10指数のうちエネルギー株だけが下落した。下落率は0.1%未満。中国のインフレ統計を受け、市場参加者の間では中国が利上げを迫られ、それに伴い商品需要が減速するとの見方が強まった。

中国国家統計局が発表した2月の同国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト29人の予想中央値は2.5%上昇だった。今年1-2月の工業生産は前年同期比20.7%増加。約5年ぶりの大幅増だった。

中国の温家宝首相は、世界的なリセッション(景気後退)からの回復を後押しするため銀行が金融システムに資金を大量供給したことを受け、今年のインフレ率を約3%に抑えることを目指している。国内総生産(GDP)伸び率は昨年10-12月(第4四半期)に10.7%となり、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は今月6日、危機対応策は「遅かれ早かれ」終了する必要があると述べた。

S&P500種の業種別24指数のうち、半導体株指数は0.5%下落。JPモルガン・チェースのアナリスト、クリストファー・デーンリー氏はリポートで、半導体業界に関する「ネガティブなデータ材料」がみられるようになったとし、具体的にはテキサス・インスツルメンツ(TI)とザイリンクス、アルテラを指摘した。TIは2.1%、ザイリンクスは1.5%、アルテラは0.4%それぞれ下げた。

◎米国債市場

  米国債市場では30年債が上昇。2年債との利回り差が過去最大近くにまで拡大しており、投資妙味の高まりからこの日の30年債入札(規模130億ドル)への需要が高まった。

  応札倍率は2.89倍と、昨年9月以来の高水準。プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)以外の証券会社や資産運用会社による直接入札の落札全体に占める割合は29.6%と、30年債の発行が再開された2006年以降で最高となった。

  ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏は「保険会社や年金基金などの投資家は引き続き30年債を購入している。利回り水準や相対価値が高いためだ。長期債との比較では期間の短い国債には価値がほとんどない」と指摘した。

  BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時19分現在、30年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.67%。30年債(表面利率4.625%、2040年2月償還)価格は13/32上昇の99 10/32。

  海外中銀を含む間接入札の落札全体に占める割合は23.9%。直接入札が06年の再発行以来で初めて間接入札を上回った。

           長期債への買い意欲

  30年債の2年債との利回り差は一時3.80ポイントまで拡大した。2月17日には3.85ポイントまで拡大。ブルームバーグのデータによると、これは少なくとも1980年以降で最大だった。

  MFグローバルのシニアバイスプレジデント、リチャード・ブライアント氏は「現在の利回り水準では長期債への買いが魅力的だ。リアルマネーが長期債に向かうだろう。最近の利回りレンジは落ち着いた物価状況を反映している」と述べた。

  30年債利回りは1日以降、4.54-4.72%のレンジで推移している。1日には1月の個人消費支出(PCE)が発表され、食品とエネルギーを除くベースで前月比変わらずとなった。

  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドは2年債利回りが1.045%を上回ると予想した。米連邦準備制度理事会(FRB)が景気刺激策を徐々に解除するとの見方が理由。2年債利回りは1月以来、この水準を付けていない。

  RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オドネル、アーロン・コーリ両氏は11日付の調査リポートで、長期債の成績が短期債を上回る公算が大きいと指摘。「期間が短めの国債への売りはきつくなる」と述べた。

◎金先物市場

  ニューヨーク金先物相場は小反発。一時2週間ぶりの安値まで下げたことで、値ごろ感からドルに代わる投資先として買いが戻り、上げに転じた。ドルの対ユーロ相場は続落した。

  金相場は前日に20日、50日、100日の各移動平均を割り込んで終え、11日は一時1オンス=1100.50ドルと、2月25日以来の安値を付ける場面もあった。ドルはユーロに対して一時0.2%安。10日は0.4%下げていた。金は過去1年間で22%上昇した一方、ドルは対ユーロで約6%下落している。

  ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のトレーダー、マシュー・ジーマン氏は「金は下げ渋り、前日終値水準にようやく戻した。割安感に目を付けた投資家が買いを入れたうえ、ドルの下落も買い材料となった」と指摘した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4月限は前日比10セント高の1オンス=1108.20ドルで取引を終了。週初からは2.4%安。2日連続で3種類の移動平均線を割り込んで引けた。

◎原油先物市場

  ニューヨーク原油相場はほぼ変わらず。ドルの動きに追随した。1月の米貿易収支統計が景気回復ペースの鈍化を示唆した一方、米失業保険申請件数は減少した。

  経済指標が強弱まちまちだったことでドルは対ユーロで不安定な展開となり、原油は99セントのレンジでもみ合った。投資家はこの3年間、資源を価値保存手段としてとらえており、ドルの動きが商品相場を左右してきた。

  エネルギー関連のコンサルタント会社キャメロン・ハノーバー(コネティカット州)のピーター・ビューテル社長は「ドルは値固めに終始し、この3日間は株も小幅な動きにとどまっているため、原油市場は動意にかける状態だ」と指摘。「景気が拡大しているというのは一致した見方だが、景気回復の力強さについてはかなり不透明だ」と語った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日比2セント(0.02%)高の1バレル=82.11ドルで取引を終了した。

◎欧州株式市場

  欧州株式相場は下落。前日に付けた7週間ぶりの高値から下げた。米週間失業保険申請件数が予想を上回ったのが嫌気された。インフレ加速から中国が景気刺激策を縮小するとの観測を手掛かりに資源株が売られた。

世界最大の鉱山会社の英豪系BHPビリトンは下落。2月の中国の消費者物価指数(CPI)は、上昇率が過去1年4カ月で最大となった。仏出版ラガルデールも下落。同社の2009年利益がアナリスト予想を下回った。一方、欧州最大の自動車メーカー、独フォルクスワーゲンが自動車株の上げをけん引し、相場全体を下支えた。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%下げて257.6で終了した。

LLBアセットマネジメントのゲロルド・クーネ氏(リヒテンシュタイン在勤)は、「労働市場の統計に今は注目が集まっている。市場は予想値を大幅に上回らなかった統計内容についてはすべて懐疑的に反応する」と述べた。

   米失業保険申請件数

米労働省が発表した6日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比6000件減の46万2000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は46万件だった。2月27日終了週の失業保険継続受給者数は456万人と、前週から3万7000人増えた。

BHPは2.1%安。銅生産で世界4位のエクストラータは1.6%値下がりした。

ラガルデールは7.3%下落。同社の09年利益は一部項目を除く調整後ベースで前年比9.5%減の3億2400万ユーロだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は3億7400万ユーロだった。

フォルクスワーゲンは7.7%上昇。この日の自動車株はストックス欧州600指数産業別19グループの中で最大の上昇率だった。

◎欧州債券市場

  欧州債市場ではドイツ国債相場が下落。ギリシャの財政危機が収拾したとの楽観的見方から、安全投資先とみなされるドイツ国債への需要が弱まり、約2週間ぶり安値を付けた。一方、ギリシャ2年債は2カ月ぶり高値付近にとどまった。

  独10年債利回りは2月23日以来の高水準まで上昇。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は10日、欧州の金融危機に対応する「欧州通貨基金(EMF)」構想を排除しないと述べた。この提案は6月に発表される可能性がある。

  ギリシャでは11日、労働組合によるゼネストが実施された。欧州委員会のプローディ前委員長は10日、ギリシャの問題は終わったと述べ、ほかの欧州諸国には問題がないとの認識を示した。

  ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バンキングの債券ストラテジスト、コーネリアス・パープス氏(ミュンヘン在勤)は、「ギリシャの財政緊縮策に対する投資家の受け止め方はかなり好意的になった」と指摘。「ドイツ国債市場は極めて静かに寄り付いた後、かなり軟調に推移している」と続けた。

  ロンドン時間午後4時20分現在、独10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.19%。9日には3.11%まで下げていた。この日の2年債利回りは4bp上昇し、1.05%。同国債(表面利率1%、2012年3月償還)価格は0.07ポイント下げ99.91。

◎英国債市場

  英国債市場では、10年債が下落。同利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.15%となった。一時は4.16%と、2月23日以来の高水準を付けた。

  同国債(表面利率3.75%、2019年9月償還)価格は0.58ポイント下げ96.92。2年債利回りは1.26%と、前日から3bp上昇。

  英公債管理局(DMO)は11日、9億ポンド相当のインフレ連動債の入札を実施した。応札倍率は1.83倍と、昨年11月12日に実施された前回入札の1.66倍を上回った。

  18日には規模32億5000万ポンドの国債(償還2020年、表面利率4.75%)の入札が実施される。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面:記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern+1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.netEditor: Shigeru Chiba記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 �

更新日時: 2010/03/12 07:55 JST
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