Updated: Tokyo  2010/09/06 19:52  |  New York  2010/09/06 06:52  |  London  2010/09/06 11:52
 

3月10日の海外株式・債券・為替・商品市場 (Update2)

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3月10日(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円が主要通貨に対して軒並み下落。株価上昇で投資家は成長重視にシフトし、ノルウェー・クローネやブラジル・レアルが買われた。

ドルは主要16通貨のうち11通貨に対して下落。原油価格の上昇に伴い、資源国通貨に買いが入った。ユーロは上昇、対円で2週間ぶりの高値を付けた。ポルトガルの借り入れコストが低下し、ギリシャ債務危機の波及に対する投資家の懸念後退を示唆するものと受け止められた。

ブリューワー・インベストメント・グループ(シカゴ)の上級市場ストラテジスト、ジョン・ノリス氏は、株式市場を横目で見ながらの展開で、円が売られていると指摘。「S&P500種株価指数が1月の高値を上回れば、ユーロにはさらに上昇の余地が出てくる」と述べた。

  ニューヨーク時間午後3時39分現在、円は対ユーロで前日の1ユーロ=122円35銭から1%安の同123円51銭。対ドルでは0.6%下げて1ドル=90円53銭(前日は同89円97銭)。ユーロは1ユーロ=1.3644ドルと、前日から0.3%のユーロ高。

対ドルではノルウェー・クローネが特に上昇。米株式市場ではS&P500種株価指数が0.3%高で推移。ニューヨーク原油4月限は一時1.9%上昇し、1月11日以来の高値となる1バレル=83.03ドルに達した。原油はノルウェーにとって最大の輸出品目。クローネは対ドルで0.5%上昇し、1ドル=5.8717クローネ。

中国の統計では、2月の輸出が前年同月比で46%増加し、3年ぶりの大幅増加となった。

キャリートレード

円はブラジル・レアルとオーストラリア・ドルに対して下落。予想を上回る中国統計をきっかけに、低金利通貨で調達した資金を高利回り資産に投じるキャリートレードが活発になった。日本の政策金利0.1%に対し、オーストラリアは4%、ブラジルは8.75%と高く、日本はこうした取引での資金調達通貨として選好されている。

円は対豪ドルで0.7%安。一時は1月21日以来の安値となる1豪ドル=83円32銭を付けた。対レアルでも0.7%円安の1レアル=51 円3銭。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏(ロンドン在勤)は、「リスクセンチメントという意味では、状況の改善が続くだろう。新興国通貨、および資源国通貨はこの先数週間、他の通貨より好調な値動きになると思われる」と述べた。

ギリシャ危機は沈静化

欧州委員会のプローディ前委員長は、ギリシャ財政危機の最悪期が過ぎたと表明し、他の欧州諸国はギリシャの轍を踏まないと述べた。

  イタリアの前首相でもあるプローディ前委員長は上海でブルームバーグとのインタビューに応じ、「ギリシャのためにユーロシステムが崩壊したり、大きな打撃を受けると考える理由はないだろう」と語った。

ポルトガルは2021年償還国債(表面利率3.85%)を9億9000万ユーロ入札。発行額を当初計画の7億5000万ユーロから上積みしたのは、ギリシャの債務危機波及に対する投資家の懸念が後退している兆候と受け止められた。ポルトガル10年債のドイツ国債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は入札後、7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下した。

ルーミス・セイルズ(ボストン)でグローバル確定利付証券部門の共同責任者を務めるデービッド・ローリイ氏は、「ギリシャ要因は影が薄くなり、この時点からユーロを売り叩こうとする投資家は見当たらない」と指摘。「一安心という気持ちから、今はやや上昇しているが、物語は一幕劇ではない。ギリシャ国債が市場でどのように展開するかは先の長い話だ」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。中国が利上げするとの懸念があるものの、1月の米卸売在庫が前月比で減少したほか社債市場に改善がみられたことから、市場参加者は景気回復が進んでいると受け止めた。

シティグループが上昇。同行は資本増強を図るため、トラスト型優先証券を発行した。保険のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は急伸。事業資産の売却がAIGの経営体力を高めるとの観測が背景。S&P500種株価指数の金融株はこの日で9日連続高、過去12年間で最長を記録した。

午後に入ると中国はインフレ対策を講じる必要があるとの観測を材料に、株式相場は一時上げ幅を縮小する場面もあった。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1145.61。ダウ工業株30種平均は2.95ドル(0.1%未満)上げて10567.33ドル。

ファースト・シティズンズ・バンクシェアーズ(ノースカロライナ州ローリー)のエリック・ティール氏は、「株式には上昇方向のバイアスがかかっている」と述べ、「経済統計はこれまでにも驚く内容だったが、企業の利益循環の力強さを考慮すると、今後も予想を上回るだろう。海外に目を向けると、中国からは景気の兆候を示す様々な材料が発表されている。しかし同国は金融引き締めを慎重に進めるという見方が圧倒的だ」と続けた。

卸売在庫

米商務省が発表した1月の卸売在庫は前月比0.2%減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.2%増だった。前月は1.0%減(速報値0.8%減)に下方修正された。

AIGは5日続伸。同社は政府から注入された公的資金を返済し、その他債務条件をクリアできるとの観測が手掛かり。

シティグループは3.7%高。条件が公表されていないとして匿名を条件に応じた事情に詳しい関係者によると、シティは30年物のトラスト型優先証券(20億ドル相当)を売却。利回りは8.5%だった。

金融株

S&P500種金融株価指数は1.1%高。産業別10指数の中で値上がり率最大だった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのまとめたデータによると、社債利回りは5年ぶりの低水準に迫った。米社債保証コストは約8週間ぶりの低水準。社債の購入増から投資家の信頼感の高まりが示唆された。

S&P500種に採用されている地銀株は2.9%上昇した。利益率の拡大予想を示したリージョンズ・ファイナンシャルや、融資増の見通しを明らかにしたザイオンズ・バンコープはともに上昇した。

若者向け衣料のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズは上昇。一部の店舗閉鎖などを明らかにした。また、2-4月(第1四半期)の一部項目を除いた1株当たり利益見通しを15-17 セントのレンジと発表した。アナリストの予想平均は15セントだった。

◎米国債市場

  3月米国債相場は下落。世界的に株高となり、逃避先としての魅力が薄れたため、期間が短めの国債を中心に売りが出た。

  発行額210億ドルの10年債入札では応札倍率が過去最高を記録。既発10年債は下げ渋った。欧州委員会のプローディ前委員長がギリシャ財政危機の最悪期は終わったとの認識を示したことを材料に、株高・国債安となった。

  ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキー)で約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミューラー氏は「株式相場が上昇し、原油相場が最近の高値付近にあることから、リスク許容度が再び高まっているようだ。欧州の懸念材料は幾らか和らいでいるように見える」と話した。

  BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時16分現在、2年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.91%。同年債(表面利率0.875%、2012年2月償還)価格は2/32下げて99 30/32。

  10年債利回りは2bp上昇の3.72%。この日発行された10年債は、2月に発行された10年債(規模は過去最高に並ぶ250億ドル)と銘柄統合される。

  米財務省が実施した10年債入札の結果によると、最高落札利回りは3.735%と、入札直前の市場予想3.751%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.45倍と、過去10回の平均2.77倍を上回った。

  BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サプラト・プラカシュ氏は「米国債にはまだ需要がある。利回りがレンジの上限近くにあり、相対的な価値という観点から米国債は幾分か魅力的だ」と述べた。

  海外中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合は35.1%。前回2月10日は33.2%だった。過去10回の平均は40.3%。

  発行額が400億ドルと過去最高に並んだ前日の3年債入札では応札倍率が3.13倍と、昨年11月以降で最高だった。財務省は11日に30年債の入札を実施する。

            「完全に終わった」

  イタリアの前首相でもあるプローディ前委員長は上海でブルームバーグとのインタビューに応じ、「ギリシャにとって、問題は完全に終わった」と指摘。「今のところ、欧州で同様の問題は発生していない。ギリシャのためにユーロシステムが崩壊したり、大きな打撃を受けると考える理由はないだろう」と語った。

  米財務省の発表によると、2月の財政赤字は2210億ドル。前年同月は1940億ドルの赤字だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は2220億ドルの赤字。

  米財政赤字を補てんするため、国債の発行残高は過去最高の7兆4100億ドルに膨らんでいる。米政府は2010年度の財政赤字を過去最高の1兆6000億ドルと予想している。

◎金先物市場

  ニューヨーク金先物相場は下落。ギリシャ財政危機の緩和に伴い金の需要が後退するとの見方から、1カ月ぶり大幅安となった。

  ユーロの対ドル相場は一時0.6%高。5日には、ギリシャの債務問題がユーロ安につながるとの懸念から代替投資としての金買いが膨らみ、ユーロ建て金相場は過去最高に達していた。

  アーチャー・ファイナンシャル・サービシズの商品アナリスト、スティーブン・プラット氏(シカゴ在勤)は「欧州の債務危機は沈静化しつつある。ユーロが上昇し始めれば、金を売り、ユーロを買い戻すタイミングを探る展開となるだろう」と語った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比14.20ドル(1.3%)安の1オンス=1108.10ドルで取引を終了。中心限月としては2月4日以来の大幅安となった。週初からは2.4%下げている。

◎原油先物市場

  ニューヨーク原油相場は8週間ぶり高値まで上昇。週間在庫統計によると、需要拡大と製油所の設備稼働率低下に伴い燃料在庫が減少した。この発表を受けて原油の買いが膨らんだ。ガソリンも上昇。

  米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表した5日終了週の在庫統計によると、ガソリン在庫は2億2900万バレルと、前週から296万バレル減少した。燃料消費は前週比0.2%増の日量1970万バレルと、昨年8月以来の高水準となった。一方、製油所の設備稼働率は5週間ぶりに低下した。

  リンド・ウォルドック(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、リチャード・イルチスジン氏は「過去数週間にかけてガソリンが原油相場を大きく動かしてきた。それがこの日の在庫統計の数字に表れている」と指摘。「株が若干上昇していることも、健全な経済成長と燃料需要の拡大を示唆するものだ」と語った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日比0.60ドル(0.74%)高の1バレル=82.09ドルで取引を終了した。一時は83.03ドルと、1月11日以来の高値を付けた。

◎欧州株式市場

    欧州株式相場は上昇。ストックス欧州600指数は7週ぶり高値に押し上げられた。企業の合併・買収(M&A)が拡大するとの観測や、ギリシャ財政問題が落ち着くとの楽観が広がった。

インターバンク・ブローカー最大手の英ICAPは急伸。ディーラー間ブローカーの英タレット・プレボンが、身売り交渉を実施していることを明らかにしたのが手掛かりだった。

英建設バラット・デベロップメンツも高い。買収の標的になるとの観測が背景。アルファ銀行を中心にギリシャ株が上昇。欧州委員会のプローディ前委員長は、ギリシャをめぐる金融混乱の最悪期は過ぎたとの見方を示した。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%上げて258.24で終了した。1月19日以来の高値だった。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、ケビン・リリー氏は「M&Aの拡大を予想している。以前よりも企業が合併で合意しやすくなっている」と述べた。

ICAP、バラット

ギリシャのASE指数は2.6%高。アルファ銀行は6.2%値上がりした。

ICAPは4.5%上昇。タレット・プレボンは身売りに向けて、第三者と「予備交渉」を進めていると発表した。

バラットは5.6%上昇。同社が競合するパーシモンから買収案を提示される可能性があるとの見方が買い材料だった。

◎欧州債券市場

  欧州債市場ではドイツ国債相場が下落。ドイツが50億ユーロ相当の2年物国債を発行したほか、ポルトガルが予想を上回る規模の国債入札を実施し、ドイツ国債への需要が圧迫された。

  独2年債利回りは3日ぶりに上昇。ポルトガルは2021年償還の国債(表面利率3.85%)を9億9000万ユーロ入札した。当初の計画では7億5000万ユーロだった。ポルトガル10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は前日から7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小した。

  格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、ポルトガルの信用格付けについて、財政健全化に向け追加措置を取らなければ現在の「AA」から格下げする可能性があると示唆していた。

  コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュノーツ氏(フランクフルト在勤)は、「質への逃避の反転がみられた」と指摘し、ドイツ国債が他国債に比べてさらに下落すると見込んでいると語った。

  ロンドン時間午後4時20分現在、独2年債利回りは前日比3bp上昇の1.01%。同国債(表面利率1%、2012年3月償還)価格は0.06ポイント下げ99.98。独10年債利回りは2bp上昇し3.16%となった。

◎英国債市場

  英国債市場では、10年債が下落。同利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.07%となった。

  同国債(表面利率3.75%、2019年9月償還)価格は0.19ポイント下げ97.50。2年債利回りは1.24%と、前日からほぼ変わらず。

  英公債管理局(DMO)は11日に2032年償還のインフレ連動債9億ポンドを入札する。DMOはまた、2020年償還の国債(表面利率4.75%、発行額32億5000万ポンド)の入札については、予算案発表と重ならないよう、当初予定の24日から18日に前倒しすることを明らかにした。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチがまとめた国債指数によると、英国債の年初来のリターン(収益率)はプラス0.4%。これに対し、ドイツ国債はプラス2.3%、米国債はプラス1.5%となっている。

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参考画面:記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern+1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.netニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae + 1-212-617-2601anishimae3@bloomberg.netEditor: Akiko Nishimae記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubo + 81-3-3201-3651okubo1@bloomberg.ne

更新日時: 2010/03/11 07:45 JST
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