2月8日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)
2月8日(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、ノルウェー・クローネと南アフリカ・ランドが上昇。原油相場が4営業日ぶりに値上がりしたことで、資源国通貨の需要が高まった。
クローネは主要16通貨中ほぼすべての通貨に対して値上がり。ただ、ランドに対しては下落した。ランドはドルに対し、主要通貨中で最大の値上がりとなった。カナダ・ドルは16通貨中7通貨に対して上昇した。ユーロは対米ドルでほぼ横ばい。
トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメントのシニア為替アナリスト、オマー・エシナー氏は「全般的にリスク資産が回復している」と指摘。「商品が強くなっており、原油上昇の動きはカナダ・ドルやノルウェー・クローネの反発と一致している」と述べた。
ニューヨーク時間午後3時36分現在、クローネはドルに対し1ドル=5.9637クローネと、前週末の5.9866クローネから0.4%高。ランドは前週末比0.6%上げて1ドル=7.7380ランド。ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.3682ドル(前週末1.3678ドル)。一時0.4%安の1.3622ドルを付けた。ドルは円に対し、1ドル=89円29銭(前週末89円25銭)。
この日の原油相場は、ユタ州からニュージャージー州にかけて出された大雪警報でヒーティングオイル(暖房油)の需要が高まるとの見方を背景に上昇した。
英総選挙
ポンドは一時0.7%安の1ポンド=1.5536ドルと、昨年5月21日以来の安値を付け、その後はほぼ変わらずで推移した。調査会社ICMが英紙サンデー・テレグラフ向けに実施した調査では、ブラウン首相率いる労働党に対する野党保守党のリードが9ポイントに縮まり、6月までに実施されるとみられる総選挙でどの政党も安定多数を確保できない可能性が示された。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外国為替調査部門バイスプレジデント、メグ・ブラウン氏(ニューヨーク在勤)は、「英国は独自の問題を抱えている」と指摘。「議会では、どの政党も絶対安定多数は確保できなさそうだ。この影響で財政赤字やその対応をめぐる懸念が高まっており、ポンドに重しとなりつつある」と分析した。
国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、サイモン・ジョンソン氏は、英国が債務増大に苦しむギリシャやスペインといった国と同類に扱われるべきだと述べた。BBC放送が同氏とのインタビューを基にウェブサイトで報じた。
ブルームバーグのデータによれば、英国とドイツの10年債の利回り格差は0.83ポイントに拡大した。これは07年9月10日以降で最大。
「友好的な発言」
ゴールドマン・サックス・グループによれば、今週の欧州連合(EU)首脳会議がギリシャの財政危機への不安沈静化に役立ち、ユーロは短期的に反発する可能性がある。
ゴールドマンのロンドン在勤の為替アナリスト、トーマス・ストルパー氏は8日のリポートで、「現在のポジションの状態とギリシャに対して比較的友好的な発言の可能性の組み合わせから、ユーロの対ドル相場が短期的に反発するというのは現時点で蓋然性のあるシナリオだ」と指摘。その上で、「ギリシャが直ちにデフォルト(債務不履行)に陥るリスクは低下するかもしれないが、同時に、財政再建問題の影響が今後も残る可能性は高い」と記した。
◎米国株式市場
米株式相場は下落し、ダウ工業株30種平均は昨年11月以来初めて1万ドルを割り込んで終了した。欧州の財政悪化により景気回復が阻害されるとの懸念が強まった。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)やアメリカン・エキスプレスは大幅安となり、ダウ工業株30種平均の下げの中心となった。電子取引所を運営する米ナスダックOMXグループも値下がりし、S&P500種株価指数の下落率トップ。同社発表の営業費用見通しが、一部アナリスト予想を上回ったことが嫌気された。
一方、家庭用品小売りのホーム・デポやネット検索最大手のグーグルは高い。アナリストによる両社の投資判断引き上げを好感した。
S&P500種株価指数は前週末比0.9%安の1056.74。ダウ工業株30種平均は103.84ドル(1%)下落の9908.39ドル。ニューヨーク証券取引所の騰落比率は1対3。
ホランド(ニューヨーク)で40億ドル以上の資産運用を監督するマイケル・ホランド会長は、「リスク回避の動きがみられる」と指摘。「米国では好調な経済指標や企業業績のデータが示されているものの、欧州の不確実性がこれを相殺した。投資家は引き続き用心が必要だ。今週の相場はほぼ変わらずで推移か、もしくは下落しても驚きではない」と述べた。
米株式相場は先週、週間ベースでは昨年7月以来最長となる4週連続の下落となった。
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、ギリシャが2012年までに財政赤字を欧州連合(EU)基準の対国内生産(GDP)比3%以下に削減することを確信していると述べた。
G7会合
フランスのラガルド財務相は6日、カナダのイカルウィットで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見で、「G7に参加した欧州のメンバーはギリシャの財政再建計画達成を期す」と語った。
カナダのフレアティ財務相は「われわれが互いに約束した景気刺激策を継続するとともに、より持続可能な財政方針へと移行する出口戦略の検討に着手する必要がある」と述べた。
出口戦略
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日の下院金融委員会の公聴会で、FRBが講じた緊急刺激策からの出口戦略について証言する。同委員会がメンバー議員にあてたメモで明らかになった。
ガイトナー米財務長官は7日に放映されたABCニュースとのインタビューで、米国は「Aaa」格付けを失う危険性はないとの認識を示した。
金融株が安い
S&P500種の金融株指数は2.2%安。セクター別10業種中の値下がり率トップとなった。米銀のJPモルガン・チェースは1.6%安。BOAは3.5%値下がり。アメリカン・エキスプレスは2.8%下げた。
ナスダックは4%安。同社は一時費用を含めた2010年の営業費用が8億6500万-8億8500万ドルになるとの見通しを示し、一部アナリスト予想を上回った。
ホーム・デポは2.2%高。モルガン・スタンレーは同社の投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。グーグルは0.4%値上がり。
◎米国債市場
米国債相場は午後遅くまで売りが続いたがその後、反転した。9日からの過去最大規模(810億ドル)の米国債入札を警戒する動きがみられたが、欧州諸国でのデフォルト(債務不履行)に対する懸念が強まり、米国債に買いが戻った。
米国債利回りは約7週ぶりの低水準に下げた。ギリシャやスペイン、ポルトガルといった欧州諸国のソブリン債のリスク問題を背景に高リスク資産への投資妙味が薄れ、株が下落した。
トロント・ドミニオン銀行(トロント)のチーフ金利ストラテジスト兼エコノミスト、エリック・ラッセルズ氏は「市場は方向性を見失っている。大量の国債入札があり、低い経済成長率、さらにソブリン債問題もある。市場は異なる2つのシナリオの間で揺れ動いている」と述べた。
BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時31分現在、10年債利回りは先週末とほぼ同水準の3.57%。同利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇していた。同年債(表面利率3.375%、2019年11月償還)価格は1/32下げて98 13/32。
2年債利回りは0.76%。先週末は12月9日以来で最低の0.72% を付けた。30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)下げて4.50%だった。
国債入札
米財務省は9日に3年債(400億ドル)、10日に10年債(250 億ドル)、11日に30年債(160億ドル)の国債入札を実施する。
ジェフリーズ・グループによると、入札前の10年債利回りは約3.53-3.7%の間で推移すると予想されている。チーフ・テクニカル・ストラテジスト、ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は「これだけ大量の国債入札で顕著な結果を残すとは考えられない。試練の時を迎えるだろう。その一方でリスク回避の取引が続いていることも認識している」と述べた。
欧州連合(EU)最大の財政赤字を抱えるギリシャは外部からの支援なしに赤字を縮小できると金融市場に訴えるが、ギリシャやポルトガル、スペインの借り入れコストは急伸している。先週の金融市場で同3カ国のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)のスプレッドは過去最高水準に上昇した。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)、モハメド・エルエリアン氏はギリシャが財政赤字削減に取り組む上で、国外の支援が必要だと語った。
ガイトナー米財務長官は、7日に放映されたABCテレビとのインタビューで、米国に付与されている最上級格付け「トリプルA」が引き下げられることは「絶対にない」と自信をみせた。
ブラード総裁
米セントルイス連銀のブラード総裁は、米連邦準備制度理事会(FRB)がバランスシート縮小のため、今年後半に資産売却を開始する可能性があると語った。ロイター通信が報じた。
2年債と10年債の利回り格差はこの日、2.80%だった。
金利先物相場の動向によれば、連邦公開市場委員会(FOMC)が6月の会合までに政策金利を少なくとも0.25ポイント引き上げる確率は18%と、1カ月前の32%から低下した。
◎金先物市場
ニューヨーク金先物相場は反発。ドルの上昇失速を背景に代替投資先としての金への需要が強まるとの見方から、上げ幅は過去1週間で最大となった。
主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は一時0.4%下落。先週は週間ベースでほぼ7カ月ぶり高水準に上昇していた。一方、金は前週末までの3日間で5.8%下げ、5日には3カ月ぶり安値に落ち込んだ。
クオンティテーティブ・コモディティー・リサーチのオーナー、ピーター・ファーティグ氏は、「ドルは下げている」と指摘。金が先週、急激に下げたのは「相場反発を示すシグナルでもある」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4月限は前営業日比13.40ドル(1.3%)高の1オンス=1066.20ドルで取引を終了した。上げ幅は1日以降で最大。先週は週間ベースで2.9%安となり、4週連続で下落した。
◎原油先物市場
ニューヨーク原油相場は4営業日ぶりに上昇。先週末に続き、中部大西洋地域が数日以内に再び吹雪に見舞われるとの気象予報を受けて買いが集まった。
原油は前週末に7週間ぶり安値を付けた。米気象庁がユタ州からニュージャージー州にかけての地域に大雪警報を出したほか、東部では気温が平年を下回るとの予報を発表したことで、ヒーティングオイルの需要が強まるとの見方につながった。先週末には40インチ(約102センチメートル)近い積雪があった地域もあり、8日はワシントンで政府機関が閉鎖された。
食糧やエネルギー関連の商品に投資するヘッジファンド、ラウンド・アース・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は「厳しい寒さが続いており、和らいでいない」と指摘した。原油はまた、テクニカル面の支持線である200日移動平均の70.72ドル近辺から上昇に転じた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前営業日比0.70ドル(0.98%)高の1バレル=71.89ドルで取引を終了。5日には71.19ドルと、昨年12月15日以来の安値まで下げていた。
◎欧州株式市場
欧州株式相場は反発。先週は週間ベースでの11カ月ぶり大幅下落を記録していた。この日は食品や鉱業株が値上がりしたほか、テクニカル指標で株式の売られ過ぎが示されたことから買いが入った。
ビール醸造世界2位、英SABミラーやスイスの食品大手ネスレなどが中心となり食品株が上昇。スイスの資源大手、エクストラータは鉱業株の上げをけん引した。同社は配当再開を表明したほか、商品需要の見通しは「極めて明るい」と指摘したことが好感された。
ダウ欧州600指数は前週末比0.6%高の238.91で引けた。一時は0.9%下落する場面もあった。この日の日中取引での下げで、同指数の相対力指数(RSI、14日ベース)は30を割り込み、11カ月ぶりに「売られ過ぎ」を示唆した。
JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジスト、デービッド・シャープ氏とレクハ・シャーマ氏はリポートで、「相場の値動きは行き過ぎているように見え始めた」と指摘。「当社のテクニカル指標は、相場が年初からの熱狂をおおむね調整し、買いの機会が近づいていることを示唆している」と記述した。
SABミラーが高い
SABミラーは3%高。ネスレは2.2%値上がり。
エクストラータは3.6%高。同社の2009年通期決算で、EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前の営業利益)は70億5000万ドルと、ブルームバーグが集計したアナリスト19人の予想中央値(66億7000万ドル)を上回った。
◎欧州債券市場
欧州債市場ではギリシャ国債相場が下落。ドイツ国債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は月初来で最大に拡大した。ギリシャで計画されているストライキが同国政府の財政赤字削減への取り組みに打撃を与えるとの懸念が強まったことが背景にある。
ポルトガル10年債も下落。ドイツ10年債とのスプレッド(利回り格差)は拡大し、昨年3月以来の最大となった。24日に予定されているギリシャ民間労組のストに対し、同国の公務員労組も加わる可能性があることを明らかにした。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)、モハメド・エルエリアン氏はギリシャが財政赤字削減に取り組む上で、国外の支援が必要だと語った。
INGグループの投資適格級債券ストラテジー責任者、パドライク・ガービー氏(アムステルダム在勤)は、「引き続き不透明感があり、国債市場では透明性が求められている」と述べ、「ギリシャ債への買い意欲はほとんどみられない」と付け加えた。
ロンドン時間午後4時21分現在、ギリシャ10年債利回りは前週末比14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し6.75%。独10年債とのスプレッドは10bp拡大し361bpとなった。ギリシャ2年債利回りは28bp上昇の6.64%と、終値ベースでの上げ幅は先月28日以降で最大。
ポルトガル10年債利回りは4bp上げ4.75%。ドイツ10年債に対するプレミアムは1bp拡大し162bpと、昨年3月13日以降の最大を記録。
一方、独10年債利回りは3bp上昇し3.15%。同国債(表面利率3.25%、2020年1月償還)価格は0.24ポイント下げ100.85。同利回りは5日に3.1%まで下げ、昨年10月8日以来の最低を付けていた。
◎英国債市場
英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)が今週発表する報告でインフレ率が中銀目標を上回る水準にとどまったことを示すとの見方を背景に、英国が過去最大規模の国債発行で買い手探しに苦慮するとの懸念が強まった。
10年債利回りは月初来の最高となった。昨年12月のインフレ率が1997年の統計開始以来で最高なった後で、エコノミストらは1月にインフレがさらに加速したと見込んでいる。英国は9日に2034年償還の国債を20億ポンド入札する。イングランド銀は先週、資産買い取りプログラムを休止した。
RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、リチャード・マクガイアー氏(ロンドン在勤)は「多数の市場関係者がインフレに対する懸念を募らせている」と述べ、相場下落については 「イングラン銀が量的緩和で一線を画したことからそれほど驚きではない。少なくとも現時点では、市場はやや好ましくない供給面での問題にさらされている」と付け加えた。
ロンドン時間午後4時45分現在、10年債利回りは前週末比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.95%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償還)価格は0.52ポイント下げ104.18。2年債利回りは1.19%と、前週末から6bp上昇した。
イングランド銀は四半期物価報告を10日に発表する。英政府統計局(ONS)が先月19日発表した12月のインフレ率は2.9%だった。5日発表の生産者物価指数統計では、1月の生産者水準での出荷価格が前年同月比で08年以来最大の上昇となった。
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参考画面:記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern+1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.netニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka+1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.netEditor: Shigeru Chiba記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubo + 81-3-3201-3651okubo1@bloomberg.ne
更新日時: 2010/02/09 08:11 JST