日本株は続落、景気不透明感で電機や不動産売り-中国関連も下げる
10月28日(ブルームバーグ):東京株式相場は、幅広い業種が売られて続落。米消費者信頼感指数の予想外の低下、為替の円高や長期金利の上昇傾向などから景気の先行き不透明感が広がった。電機株が安く、不動産は東証1部の業種別33指数で下落率首位。海運や非鉄金属、鉄鋼といった中国関連株も下げがきつい。
トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、「金融政策の出口論が議論され始める中、解除後も成長の先行きが見えるかどうかにより、今後は各国株の下値抵抗力が違ってくる」と指摘。新政権の成長戦略が見えず、日本株は他国より先に買われないとしたほか、「決算などの好材料を評価しないのは、資金が流入してこないことに対する弱気心理が出ているため」と話した。
日経平均株価の終値は前日比137円41銭(1.4%)安の1万75円5銭と、2週間ぶりの安値水準。TOPIXは6.68ポイント(0.8%)安の888.80。
この日の相場は朝方こそ小動きで始まったが、その後は先物主導でじりじりと安くなった。東芝やキヤノン、日立建機など時価総額が大きく、決算や業績修正を発表した銘柄が大きく売られ、投資家心理が悪化。午後にかけて円高がさらに進むと株価は一段安となり、日経平均は投資家の短中期的売買コストを示す25日移動平均線(1万115円)を終値で2週ぶりに割り込んだ。
景気や業績先行きに慎重姿勢
27日発表の10月の米消費者信頼感指数は47.7と、前月の改定値53.4から低下し、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の53.5を下回った。MU投資顧問の森川央シニアストラテジストは、「米国の自動車や住宅などの支援策の反動が大きくなるかもしれないとの意識が強まり、投資家は業績の先行きに対して慎重になり出した」と指摘している。
また、国内で本格化している決算発表を受け、個別で上昇する銘柄は散見されるが、相場全体の押し上げには力不足。コスモ証券の木村勝投資調査部長によると、「上半期業績は良かったが、通期の上方修正は限られている。企業は、景気がひど過ぎる状況からは戻しても、これから良くなるとは考えていない」という。業績の上振れが当面期待できない状況となり、「PER(株価収益率)が40倍近い株価水準は絶好の売り場になる」と、木村氏は話す。
東証1部の業種別33指数の下落率上位は海運、鉄鋼、非鉄金属など。「海運株の業績予想の下方修正を受け、機械などほかの中国関連にも連想売りが広がっている」と、丸三証券の牛尾貴投資情報部長は指摘。特に海運株には、「コンテナ船事業の悪化は構造問題で、今後2-3年は業績の低迷が続くだろう」との見方を示した。
不動産は下落率首位、DeNAは急騰
また不動産株は続落し、業種別下落率で首位。コスモ証の木村氏は、「マンション販売事業やオフィス賃貸事業の改善を期待して上半期は株価が上昇したが、結局両事業とも改善していない」と分析。銀行の自己資本規制強化や長期金利上昇もマイナス材料で、「上半期業績の上方修正はあまり期待できない」としていた。10年3月期連結営業損益が一転赤字見通しとなったレオパレス21は値幅制限いっぱいのストップ安だった。
このほか個別では、東芝が東証1部売買代金首位で大幅安。大和証券SMBCでは、上半期業績の上方修正は想定範囲内で、株価は今・来期の業績回復をいったん織り込んだ水準にあると指摘した。化粧品市場の低迷で、10年3月期利益予想を減額した花王が急落。09年12月期業績予想を下方修正したシマノ、午後に10年3月期利益予想を減額したグンゼも下げが大きくなった。
半面、米企業の株式を取得して米携帯コミュニティサイトの事業譲渡を受けたディー・エヌ・エーは急伸し、値上がり率1位。10年3月期計画の開示で、下半期の業績回復を見込んでいることが好感された信越ポリマー、上半期業績の最終赤字幅が縮小する見通しのセガサミーホールディングスも急伸。決算説明会を受けて業績拡大余地を再確認した、とUBS証券が評価した日本電産は急反発。
東証1部の売買高は18億1950万株、売買代金は1兆3506億円。
新興3市場も続落
国内の新興3市場は続落。ジャスダック指数の終値は前日比0.64ポイント(1.3%)安の48.27、東証マザーズ指数は9.34ポイント(2.1%)安の437.70とともに続落。大証ヘラクレス指数は4.30ポイント(0.7%)安の580.71と3日連続安となった。
上半期利益が従来予想を大きく上回ったもようのITXが一時値幅制限いっぱいのストップ高。1対20の株式分割による流動性向上を評価した銚子丸は3連騰。売買代金上位ではセブン銀行、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、JCLバイオアッセイが上げた。
半面、持分法適用関連会社の米ウィン・リゾーツ社が11%安となったことで、アルゼは急落。10年3月期連結純損益が黒字予想から一転、赤字見通しとなった八千代工業も大幅安となった。売買代金上位ではデジタルガレージ、サイバーエージェント、グリー、ダヴィンチ・ホールディングスが下げた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa thasegawa6@bloomberg.net
更新日時: 2009/10/28 16:07 JST