日経平均3週ぶり1万円割れ、輸出株主導-米新築住宅減り景気警戒
10月29日(ブルームバーグ):東京株式相場は3日続落し、日経平均株価は3週間ぶりに1万円を割り込んだ。米新築一戸建て住宅販売の予想外の減少、為替市場の円高が嫌気され、輸出や素材株中心に幅広く売られた。米類似企業の業績不安が広がった影響もあり、ブリヂストンなどゴム製品株は東証1部33業種の下落率首位だった。
日経平均株価の終値は前日比183円95銭(1.8%)安の9891円10銭、TOPIXは6.54ポイント(0.7%)安の882.26。
みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「国内景気の失速による景気二番底懸念が払しょくできない中で、輸出についても為替の振れが大きくなっている」と指摘。足元の業績改善に株価が反応しないのは「景気に対する急速な信頼感後退で、マーケットが下値を意識しているため」と話した。
米商務省が28日に発表した9月の新築一戸建て住宅販売は、前月比で3.6%減少した。日興コーディアル証券国際市場分析部の河田剛シニアストラテジストによれば、「減税措置の恩恵を最も受けるはずの新築住宅の予想以上に早い減少は、かなり米景気の実態が悪いことを示している」という。11月末で減税措置が打ち切られれば、「新築よりぎりぎりまで減税効果が出やすい中古住宅も今後は落ちてくる」と、同氏は懸念している。
日米でくすぶる懸念
一方、きょう発表された日本の鉱工業生産で、10、11月の生産計画で増加が見込まれたが、円高の前に反応は限定的だった。「輸出企業は下半期の為替想定を1ドル=90円で見ている。為替が落ち着かない中では業績の先行きが見通しにくい」と、みずほ投信の岡本氏は話す。国内では、雇用の悪化が続く中で公共事業の見直しが行われた結果、2010年1-3月期の景気刺激策効果の息切れが警戒されるという。
今週から本格化した決算発表は、あす30日に発表企業数のピークを迎える。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「マーケットが期待していたほどの通期の上方修正は出ていない」との見方。今月に入っての日経平均1万300円台への上昇で上期業績の堅調さはいったん織り込んでおり、「9500円程度までの調整はあり得る」と、同氏は言う。
業種では、ゴム製品指数の下げが最も大きくなった。米最大のタイヤメーカー、グッドイヤー・タイヤ&ラバーが10-12月期の北米営業損益が赤字になると予想し、同社株が28日に22年ぶりの大幅安を記録した影響が見られた。ブリヂストが4.6%安となるなど、TOPIXゴム製品指数を構成する11銘柄中9銘柄が安い。
支持線では抵抗力も、銀行株は高い
もっとも、日経平均は午前の安値が9850円12銭、午後の安値は9850円51銭と9850円近辺では下値抵抗力も見せ、東証1部の売買代金も増加傾向を示した。野村証券によると、日経平均の4月安値と7月安値を結んだ支持線が現在9850円程度。同証の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「企業業績そのものは決して悪くなく、米国株が月末月初にボトムを付ける傾向を考えると、サポートラインの下限では押し目買いも入りやすい」と話していた。
銀行株の上げも、株価指数の下値を支えた。シティグループ証券では、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの上半期実質業務純益の上振れを予想したリポートを発行。決算発表で増資動向が明らかになれば悪材料出尽くしの可能性があると予想した。また、29日付の日本経済新聞朝刊は、政府が日航再建へ融資保証や年金減額など一括法を検討していると報道。日興コーデ証の河田氏は、「日航の再建に関して銀行の損失が限定される可能性がある」と指摘するなど、買い戻しも意識されやすかった。
東証1部の売買高は概算26億4289万株と、先物・オプションの特別清算値(SQ)算出日を除くと、6月16日以来、4カ月ぶりの高水準。売買代金も概算1兆8669億円で、同6月23日(1兆8537億円)以来の高水準に膨らんだ。値上がり銘柄数は426、値下がり1162。
新光電工が値下がり1位、値上がりは航空電子
個別では、10年3月期業績予想を下方修正した新光電気工業が一時値幅制限いっぱいのストップ安まであり、東証1部値下がり率1位。10年3月期業績予想を下方修正したNECエレクトロニクス、7-9月期の連結純損失が33億円になったアドバンテストもそろって急落。シティグループ証券が投資判断を引き下げた日清食品ホールディングスは売買を伴って大幅安。
半面、会社側が10年3月期業績予想を引き上げ、UBS証券がポジティブサプライズだとして投資判断を上げた日本航空電子工業はストップ高で値上がり率首位だった。コスト体質改善などを評価して野村証券が格上げしたアンリツ、決算説明会を受けて急伸した日立国際電気、上期の連結純利益が会社計画を上回ったようだと29日付の日経新聞が伝えた武富士もそろって急伸した。
新興市場は続落
新興市場は続落。ジャスダック指数の終値は前日比0.17ポイント(0.4%)安の48.10、東証マザーズ指数は4.60ポイント(1.1%)安の433.10とそれぞれ3日続落。大証ヘラクレス指数は8.29ポイント(1.4%)安の572.42と4日連続安。
個別では、10年9月期連結営業利益予想を前期比17%減としたネットプライスドットコムがストップ安。09年12月期業績予想を減額したGCAサヴィアングループも急落した。売買代金上位では日本通信、ACCESS、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所が下げた。
半面、親会社によるTOB(株式公開買い付け)価格1万2500円にさや寄せしたユー・エム・シー・ジャパン、1対2の株式分割とジパングの吸収合併を発表したプライムがともにストップ高比例配分となった。売買代金上位ではセブン銀行、ミクシィ、ダヴィンチ・ホールディングスが上げた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa thasegawa6@bloomberg.net
更新日時: 2009/10/29 16:41 JST