6月の消費者物価は2カ月連続で下落率が縮小-1.0%低下(Update2)
7月30日(ブルームバーグ):6月の全国の消費者物価指数は、2カ月連続で前年比の下落率が縮小した。景気が緩やかに回復しつつあることを受けて日本経済全体の需給と供給のバランスは徐々に改善しており、消費者物価の下落率は緩やかに縮小に向かう公算が大きい。
総務省が30日発表した6月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年同月比1.0%低下と16カ月連続のマイナスとなった。7月の東京都区部コアCPIは同1.3%低下だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国が1.1%低下、東京は1.2%低下。前月はそれぞれ1.2%低下、1.3%低下だった。
4月から始まった高校授業料の実質無償化により、コアCPI前年比変化率は0.54ポイント押し下げられており、来年3月まで同程度の下押しの影響を受ける。需給バランスの改善により消費者物価の下落率は基調的には縮小していくとみられるが、世界経済の減速懸念から国際商品市況が下落に転じており、縮小ペースは緩やかなものにとどまる可能性が高い。
CPI総合指数は6月の全国が前年同月比0.7%低下、7月の東京都区部は1.2%低下だった。前月はそれぞれ0.9%低下、1.0%低下だった。変動の大きな食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コアCPI」は、6月の全国が1.5%低下、7月の東京都区部は1.4%低下だった。前月はそれぞれ1.6%低下、1.4%低下だった。
11年度にはプラス展望
日銀は15日の金融政策決定会合で、4月末に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行い、2010年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通しをプラス1.8%からプラス2.6%に上方修正するとともに、コアCPIもマイナス0.5%からマイナス0.4%に上方修正。11年度のコアCPIはプラス0.1%に据え置いた。
山口広秀副総裁は21日の講演で「需要と供給のバランスが改善し始めると、1年程度遅れて物価に影響が出てくるというのが過去の経験則なので、昨年来の景気持ち直しの影響がここにきてようやく物価面に表れてきた」と指摘。「景気が回復傾向をたどっていけば、それにつれて需要と供給のバランスも改善を続けていく」とした上で、「11年度にはプラスの領域に入る可能性が展望できる」と述べた。
日銀が3カ月に1度実施している「生活意識に関するアンケート調査」によると、物価が1年前に比べて「上がった」との回答が7期ぶりに増加。1年後に物価が「上がる」との回答も3期ぶりに増加した。CPIはなお下落しているが、ガソリン価格の上昇や天候不順で生鮮食品が上昇したことが消費者の物価観に影響したとみられる。
国際商品市況は当面低迷か
ただ先行き不透明要因もある。バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは「世界的な景気減速懸念を背景に足元で商品市況が低迷している。欧州の経済、財政不安や米国、中国の景気減速への懸念を背景として今後しばらくはこの傾向が継続しよう」と指摘。川上の市況型の物価上昇に一服感が生じれば、「物価を押し上げる圧力は一時的に緩む可能性がある」としている。
三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストは「来年の夏場には基準改定も予定されており、0.2ポイントから0.3ポイント程度、マイナス幅が広がる」と指摘。「11年度中のデフレ脱却とはなかなかいかないだろう」としている。
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更新日時: 2010/07/30 10:07 JST