Updated: Tokyo  2010/09/09 19:20  |  New York  2010/09/09 06:20  |  London  2010/09/09 11:20
 

7月29日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update1)

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7月29日(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎外国為替市場:ユーロ上昇、約3カ月ぶりの1.31ドル

  ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対しほぼ3カ月ぶりに1.31ドルに上昇した。ユーロ圏の景況感がここ2年余りで最高となったことや、ドイツの失業者数減少が好感された。

  スイス・フランは対ドルで半年ぶり高値に上昇。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が2080億ドルの外貨準備の一部を売却しているとの観測が広がった。スイス中銀がフランの上昇抑制に向けて介入に動くなか、外貨準備は過去1年間でほぼ3倍に増加している。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア為替ストラテジスト、ウィン・シン氏は「ドルには弱気、ユーロには強気といった姿勢だ」とし、「楽観的な見方が広がっている。投資家は押し目でユーロを買っている」と述べた。

  ニューヨーク時間午後4時1現在、ユーロはドルに対し1ユーロ=1.3078ドルと、前日の1.2995ドルから0.6%高。一時1.3107ドルと、5月4日以来の高値を付ける場面もあった。対円では1ユーロ=113円63銭(前日は113円66銭)。円の対ドル相場は0.8%上昇の1ドル=86円82銭(前日87円47銭)。

  ユーロはこのままいけば月間ベースではドルに対し7%高、円に対しては5.3%高となりそうだ。域内の景気見通しが背景にある。

  欧州連合(EU)の欧州委員会が29日発表した7月のユーロ圏景況感指数(速報値)は101.3と、2008年3月以来の高水準となった。また独連邦雇用庁が発表した7月の雇用統計によれば、失業者数(季節調整済み)は前月比2万人減の321万人と、08年11月以来の低水準となった。

            ストレステスト

  23日に発表された欧州の銀行を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果では、追加の資本調達が必要とされたのは7行にとどまった。この結果も、今週ユーロの支援要因となっている。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が28日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米景気は拡大が続いているものの、ペースは鈍化していると指摘された。

  オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査担当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は「経済統計はユーロ圏で力強い数字、米国では弱い数字が続く可能性が十分ある」とした上で、「上昇は慎重を要する。全般的に見て非常に積極的な動きは見られない」と指摘した。

            ユーロの見通し

  JPモルガン・チェースのプライベートバンク部門の外国為替担当責任者、レベッカ・パターソン氏によれば、ユーロは6月7日に付けた4年ぶり安値の1ユーロ=1.1877ドルから10%上昇しているが、ドイツを除いた域内各国の景気の弱さからユーロの需要が後退するため、この上昇は失速する可能性が高い。

  パターソン氏は29日、ブルームバーグラジオのインタビューで、ユーロは少なくともテクニカル面での次の抵抗線である1.3125ドルに達した時点でピークとなりそうだと語った。

  同氏は「ユーロの力強さの要因として挙げられるのはドイツのみだ」と指摘。「ドイツ対欧州残りの国という構図だ。こうした状況を踏まえると、この上昇がかなり進むのは難しいと私はみている」と語った。

  スイス・フランは主要通貨すべてに対して値上がり。ドルに対しては一時1.9%高の1ドル=1.0374フランと、1月25日以来の高値。対ユーロでは一時1.1%上昇し、1ユーロ=1.3582フラン。

◎米国株式市場:S&P500は3日続落、消費財・ハイテク決算嫌気

  米株式相場は下落。S&P500種株価指数は3日続落。テクノロジー企業や消費財メーカーの決算や見通しが投資家の失望を誘う内容だったことから、朝方の値上がり分を失った。

エヌビディアやシマンテックは業績見通しが嫌気されて安い。アカマイ・テクノロジーズは大幅安。同社は利益マージンが縮小したと述べた。消費財のコルゲート・パルモリブは売上高が予想を下回ったのが売り材料となり、下落した。一方、ゴールドマン・サックス・グループは上昇。バンク・オブ・アメリカ(BOA)によると、ゴールドマンは金融規制改革が「大幅な」売り上げ減にはつながらないとの見方を示した。

S&P500種株価指数は前日比0.4%下げて1101.53。ダウ工業株30種平均は同30.72ドル(0.3%)安の10467.16ドル。

フィフス・サード・アセット・マネジメントで180億ドル相当の資産運用に携わるキース・ワーツ最高投資責任者(CIO)は、「見通しはまだ強弱が混在している」と述べ、「流動性の水準が普通ではないことから、今年の夏は上げ下げが続くだろう。雇用情勢は今も厳しい。良好な業績もそれほど株価の支援材料にはなっていない。しかし悪い統計が出れば株価は打撃を受ける」と指摘した。

S&P500種はきょうで3日続落したものの、今月に入ってからは6.9%上昇。月間ベースでは1年ぶりで最大の上げとなる。第2四半期決算を発表したS&P500種採用企業のうち、利益がアナリスト予想を上回ったのは約77%に上る。

              企業決算

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値によると、米商務省が30日発表する4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は2.6%成長と、第1四半期の2.7%成長から縮小する。

  インターネット関連ソフトウエア供給会社、アカマイ・テクノロジーズは13%安。4-6月(第2四半期)に利益マージンが縮小したと発表した。映画レンタル郵送サービスのネットフリックスといった新規顧客向けの事業で価格を引き下げたことが影響したと説明した。

  コンピューターウイルス対策ソフトウエア最大手、米シマンテックも安い。同社が発表した7-9月(第2四半期)の売上高と利益見通しはアナリスト予想を下回った。ユーロ安と顧客の「慎重」姿勢を理由に挙げている。

  フィデュシャリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレーニー氏は、「テクノロジー株の不調は株価指数を押し下げるに十分だった」と指摘。「株価の上昇が続くには経済状況がもっと良くなる必要がある。雇用の創出と消費の復活が求められる」と述べた。

            消費財メーカー

  コルゲート・パルモリブは6.8%安。4-6月決算では、売上高が38億1000万ドルと、アナリスト予想の39億4000万ドルを下回った。S&P500種の消費財株は産業別10指数のうち値下がり率2位だった。

米セントルイス連銀のブラード総裁は、景気が減速し物価が下落した場合は、政策金利をゼロ付近で据え置く方針を維持するよりも連邦公開市場委員会(FOMC)が米国債の購入を再開すべきだとの見方を示した。

ブラード総裁はFOMCメンバーの中で今年の議決権を持つひとり。FOMCが政策金利をゼロ付近で据え置く姿勢を表明するのは不利益に働く可能性があると指摘した。

◎米国債市場:5年、7年債が月間で4カ月連続の上昇へ

  米国債市場では5年、7年債が1週間ぶり高値付近での取引となった。両年限ともに月間ベースでは4カ月連続の上昇となる見通しだ。中期債の安全性を求めた買いが入ったことが背景にある。

  7年債は、この日実施された同年債入札(発行額390億ドル)での需要が事前予想を下回ったものの上昇。今週は7年債を含めて3回の入札が実施され、発行総額は1040億ドルだった。30日に発表される第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値は伸びが減速したと予想されている。

  ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「市場参加者は5年、7年債を好んでいる」と指摘。「投資家は利回りを求めており、2年債の利回りは十分ではない。ただ、長期債保有に慎重なことから30年債にまで手を伸ばしてはいない。財政政策について懸念している」と述べた。

  BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後5時15分現在、既発の7年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.36%。一時は2.33%と、22日以来の低水準を付けた。月間では5bpの低下となりそうだ。5年債利回りは3bp低下の1.66%。一時は1.65%と、同じく22日以来の低水準を付けた。月間では11bpの低下となる見通し。

  30年債利回りは1bp上昇の4.08%。一時は4.14%と、6月22日以来の高水準となった。月間では19bpの上昇となりそう。10年債利回りは2.99%。月間では6bp上昇となる見通し。

  7年債入札が不調

  7年債は伸び悩む場面もあった。この日の入札の最高落札利回りは2.394%と、入札前取引での利回り2.375%を上回った。

  ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「市場参加者は順調な入札を予想してロング(買い持ち)ポジションを建てていた」と指摘。「入札が不調に終わったことに皆が驚き、手じまった。センチメントが変わってしまったためだ」と述べた。

  この日の入札の発行額は、7年債入札としては昨年9月以来の最小だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.78倍と、前回(6月24日)の3.01倍を下回った。過去10回の入札の平均は2.8倍。

  落札全体に占める、海外の中央銀行を含む間接入札の割合は42.3%だった。過去10回の入札の平均は52.3%。プライマリーディーラー以外の直接入札の割合は9%。過去10回の平均は9.7%。

  前日実施された5年債入札(発行額370億ドル)では、最高落札利回りは1.796%と、入札直前の市場予想の1.820%を下回った。

  27日の2年債入札(発行縛380億ドル)では、最高落札利回りは過去最低の0.665%だった。

  10年債利回りは朝方に低下する場面もあった。米労働省が発表した24日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週からは1万1000件の減少。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は46万件だった。前週は46万8000件(速報値は46万4000件)に修正された。

  米商務省の30日の発表を前に、ブルームバーグがエコノミスト81人を対象に実施した調査によると、第2四半期のGDP速報値は前期比年率2.6%増加したと予想されている。1-3月(第1四半期)の同2.7%増からは伸びが減速したもようだ。

◎金先物市場:上昇、ドル指数低下で代替需要高まる

  ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルの大幅安を背景に代替投資先としての金への魅力が強まり、上げ幅は過去1週間で最大となった。

  主要6通貨に対するドル指数は3カ月ぶりの低水準まで下げた。米労働省が発表した新規失業保険申請件数で、雇用情勢の回復に時間がかかることが示されたことが背景。金とドルは通常、反対方向に動く。金の過去1年間の上昇率は26%。6月21日には1オンス=1266.50ドルと、過去最高値を付けた。

  フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は「ドルと金はトレードオフの関係になっている」と指摘。「ドルが大幅安となったため、金が押し上げられている」と語った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物相場12月限は前日比8.80ドル(0.8%)高の1オンス=1171.20ドルで取引を終了。中心限月としては20日以来の大幅高となった。

◎原油先物市場:1週間ぶりに上昇、ドルの対ユーロ下落で

  ニューヨークの原油先物相場は1週間ぶりに上昇。ドルがユーロに対して下げたことで、代替投資先としての商品の魅力が強まった。

  原油は一時2.5%高。ドルの対ユーロ相場は12週間ぶりの安値を付けた。ドイツの失業者数は減少し、ユーロ圏景況感指数は改善を示した。米国株が下落したことで、原油は上げ幅を削った。

  シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は、「原油は金融市場の動きに左右されている」と指摘。「原油取引は他の市場との関係に再び注目するようになり、在庫増加や石油輸出国機構(OPEC)の増産といった細かいことにそれほど注意を払わなくなっている」と語った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比1.37ドル(1.78%)高の1バレル=78.36ドルで取引を終了した。過去1年間では24%高、7月に入ってからは3.9%上昇している。

◎欧州株式市場:続落、ネスレやユニリーバ安い-商い慎重

  欧州株式相場は続落。食品や資源関連株が軟調に推移した。30日に発表される米国内総生産(GDP)の伸びが鈍化するとの懸念が強まったことも売り材料になった。

  スイスの食品メーカー、ネスレや英・オランダ系の消費財メーカー、ユニリーバが安い。ライバルの米ケロッグやコルゲート・パルモリブの決算で売上高が予想に届かなかったことがきっかけ。鉄鋼業界の回復は緩やかになるとの見通しを示したフランスの鋼管大手バローレックも下落。一方、スペインの通信会社テレフォニカや、フランスのコンピューターサービス会社キャップ・ジェミニは、好調な業績を背景に値上がりした。

  ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の256.26で終了。引け前1時間で上げを消した。同株価指数は4月15日の年初来高値から5.8%下げている。

  IGインデックスの主任市場ストラテジスト、デービッド・ジョーンズ氏は、「あすの米GDP統計の発表を控え、さらなる警戒ムードが広がった」と指摘。「投資家にとって景気回復の強さが引き続き厄介な問題となるなか、同統計が発表されるまで投資を控える動きが優勢となっても驚きではない」と述べた。

ネスレが安い

  ネスレは1.7%安と、4週間ぶりの大幅な下げ。ユニリーバは2.4%の下落。

  バローレックは3.1%安。同社は鉄鋼業界の回復は緩やかになるとし、今年下期の業績が打撃を受けるとの見通しを示した。

  テレフォニカは3.2%高。同社の純利益は21億2000万ユーロと、ブルームバーグがまとめたアナリスト13人の予想平均の19億4000万ユーロを上回った。

  キャップ・ジェミニは7.3%高。同社は上期の純利益が増加したことを背景に、利益見通しを引き上げた。

◎欧州債券市場:アイルランド債が下落、急ピッチの戻しを警戒

  欧州債市場ではアイルランド国債相場が下落し、ドイツ国債との対照が鮮明となった。債務懸念で下げた後の回復が速過ぎたとの見方から、売りが出た

  この日の独10年債相場は上昇。資産運用者がベンチマーク変更に対応するポジション調整で独10年債を購入しているとの観測が材料視された。イタリア国債は前日からほぼ変わらず。同行政府は総額95億ユーロの国債入札を実施した。

  欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会が29日発表した7月のユーロ圏景況感指数は101.3と、前月の99から上昇し、ブルームバーグがまとめたエコノミスト26人の調査中央値も上回った。

  クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は、「利益確定がみられた」と述べた。また「ベンチマーク変更に伴う持ち高拡大は、米国よりも欧州債の方がずっと顕著だ」と続けた。

  ロンドン時間午後5時25分現在、アイルランド10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.1%。独10年債に対する上乗せ利回りは10bp拡大し233bpとなった。この日の独10年債利回りは4bp低下し2.71%、独2年債利回りは2bp下げ0.83%となった。

  ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)がまとめた指数によると、アイルランドとスペイン国債の月初来のリターン(投資収益率)はいずれもプラス3.5%と、ユーロ圏諸国の中で最大。これに対し、英国債はマイナス1.4%、ドイツ国債はマイナス1%となっている。

◎英国債市場:上昇、住宅価格下落が回復足踏みを示唆

  英国債相場は上昇。英住宅価格の下落を受け、景気回復が足踏みし、イングランド銀行(英中央銀行)が利上げを抑制するとの兆候が強まった。

  10年債利回りは2カ月余りで最大の低下となり、月初来の上げ幅は3bpに縮小した。英住宅金融会社ネーションワイド・ビルディング・ソサエティーの29日発表によると、7月の住宅平均価格は前月比0.5%下落した。イングランド銀行のキング総裁は前日、政策金利が「正常な水準」に戻るまで「相当な」距離があると発言した。また、英中銀がこの日発表した6月の住宅ローン承認件数は、エコノミスト予想を下回った。

  ロイズTSBのエコノミスト、ケネス・ブルックス氏(ロンドン在勤)は、「ブレーキを踏む時でなく、英国債に対して弱気になるのは難しい」とし、「個人的見解では、政策金利が年内に動くことはないだろう」と語った。

  ロンドン時間午後5時8分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.4%。終値ベースとしては5月19日以降で最大の下げとなった。27日には先月21日以来の高水準となる3.53%まで上昇した。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格は0.9ポイント上げ110.89。2年債利回りも9bp下げ0.82%。

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参考画面:記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107  smori1@bloomberg.netニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern+1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.netEditor: Akiko Nishimae記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubo + 81-3-3201-3651okubo1@bloomberg.ne

更新日時: 2010/07/30 07:05 JST
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