7月1日(ブルームバーグ):著名ストラテジストの1人である武者陵司氏は1日、自らが代表を務める独立系リサーチ会社「武者リサーチ」代表としての活動を始めた。経済金融分析を生涯続けたいとし、人々の判断の明確なたたき台になることを目指したいとしている。
武者氏はブルームバーグとの電話インタビューで、「現在の世界を仮説によって解釈し、それを常に作り変えていくのが私の役割」と強調、「死ぬまでリポートを書き続けるためには、どこかで自立してプラットホームを作る必要があった」と話した。独立系リサーチ会社を立ち上げることにより、「人々の判断の明確なたたき台を提供して知的な討論を引き起こし、日本におけるファイナンシャルインテリジェンスの向上に役立ちたい」という。
武者氏は6月30日付でドイツ証券副会長を辞し、きょうから武者リサーチ代表として活動する。ドイツ証は1997年1月に入社、12年6カ月務め、ことし9月に60歳になるのを前に一つの区切りをつける。新会社では、ドイツ証やドイツ銀行東京支店、ドイチェ・アセット・マネジメントのアドバイザーとして、リポート発信や顧客への訪問などを継続。ドイツ証以外の顧客にも経済金融分析のサービスを提供する。
「弱気の武者」もいまは強気
武者氏は日本株について、1990年後半から一貫して弱気スタンスで、97年2月には株価の先行きについて最も強い警告を発信した。02年3-4月には短期的な相場推奨を行ったほか、03年5月からは一転強気の見方を示し、05年9月以降は強気スタンスを継続している。一方、米国株については89年以降に一貫して強気だったが、99年5月には弱気に転換、05年半ばからは再度強気に転じている。
日経平均株価は97年2月末に1万8557円だったが、98年10月には1万2787円へ下落。その後も長期下落基調をたどり、03年4月には7603円のバブル経済崩壊後の最安値(当時)を付けた。
武者氏は97年から05年までの間はドイツ証のチーフストラテジスト(以後はチーフ・インベストメント・アドバイザー)を務めた。この間では、02-03年の米国インスティチューショナル・インベスター誌の日本株ストラテジスト部門で1位。日本経済新聞社の人気ストラテジスト部門では、98年から03年までベスト5に入り続けた。
現在の日本株に対する投資スタンスは強気。「リスク回避の反動による大逆流はまだ道半ばだ」とし、日経平均株価は年内1万2000-1万3000円まで上昇すると予想している。
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