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与謝野財務相:米国債への信認揺るがない-単独会見(Update1)

  6月12日(ブルームバーグ):与謝野馨財務・金融・経済財政担当相はブルームバーグ・ニュースの単独インタビューに応じ、米国債の格下げ懸念が世界的に広がっていることについて「われわれは米国の経済を信頼しており、米国債に対する信認はいささかも揺らいでいない」と述べ、米国債・ドル離れの動きを示す中国などとは一線を画す姿勢を鮮明にした。

  インタビューは10日行った。与謝野氏は12、13の両日にイタリアのレッチェで開催される主要8カ国(G8)財務相会合に出席、米国のガイトナー財務長官との個別会談も行う予定だ。ガイトナー氏は今月初めに中国を訪問し、米国の金融資産への中国の投資は安全だとの考えを中国側に訴えている。

  与謝野氏は、米国債の裏付けとなるドルの地位について、米国の「文化、経済、世界の安全保障に対する考え方、すべての要素からドルの地位が成り立っており、ドルの基軸通貨体制は揺らがないと思う」と強調。「米国が強いドルを基本に考えていることについて全面的な信頼をしている」とも述べ、米政権の通貨政策を引き続き支持する考えを示した。

  民主党の中川正春「次の内閣」財務相が米国に対し円建てのサムライ債の発行を促すよう提唱していることに関しては、「われわれはそういう考え方、求めるという考え方はない」と否定的な見解を表明。米国債をどの通貨建てで発行するかは米国自身が判断する問題との認識を強調した。

  日本は中国に次ぐ米国債の保有国。米国債をめぐっては、中国の温家宝首相が資産としての安全性に「懸念」を表明したほか、ロシア中央銀行も保有する米国債の一部売却を検討。投資家の間では米国債が「トリプルA」の格付けを失うとの見方も根強くある。

  バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは、日本政府の対応について「日本は米国債を売れば、円高になり、企業の収益に打撃を与えることを認識している」と分析。三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストも、米国財政の見通しについて「金融機関への公的資金も返ってくれば、財政も健全化の方向へ戻っていく。そんなに心配することはない」と指摘していた。

  ただ、森田氏は「もしドルが今の価値の半分になるようなことがあれば、日本が米国債売りを考える可能性もある」とも述べている。

G8

   与謝野氏は70歳。昨年8月の福田康夫改造内閣で2回目の経済財政担当相に就任し、同9月発足の麻生太郎内閣でも続投。今年2月に財務・金融相だった中川昭一氏が辞任してからは、異例の3閣僚ポスト兼務という形で日本経済のかじ取りを任されている。

  「財政タカ派」と呼ばれ、財政健全化や消費税率(現行5%)の引き上げの必要性を唱えてきたが、経済危機対策のため、財務相として過去最大規模となった2009年度補正予算を編成する皮肉な役回りも演じた。

  与謝野氏は「財政が厳しい時にこれだけお金を使うというのは相当の覚悟と決断が必要だった。やるのであれば大胆に一気にやる、というのが今回の景気対策の基本だ」-と大型補正予算に踏み切るまでの心境を語った。

  与謝野氏は2日の閣議後会見で日本の景気は「1-3月期が底打ちの時期だと思っている」との認識を示した。インタビューで今後の見通しについて聞くと、「5月末に国会で承認をいただいた対策の効果は7-8月以降出てくるので、息切れということはまったく考えていない」と述べるにとどめた。

  G8財務相会合については「日本の経済対策について説明し、各国からそれぞれの経済の状況や経済対策の在り方について教えてもらいたい。今までやってきた努力の継続をお互いに確認し合いたい」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 広川高史 Takashi Hirokawa thirokawa@bloomberg.net