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円上昇、リスク回避で買い戻し止まらず-株安・商品安で高金利通貨下落

  6月23日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が上昇。世界景気の先行き不透明感が強まるなか、世界的な株価の下落を背景に投資リスクを縮小する目的でユーロや資源国通貨など高金利通貨を売って円を買い戻す動きが続いた。

  ユーロ・円相場は一時、1ユーロ=131円43銭と5月22日以来、約1カ月ぶりの水準までユーロ安・円高が進行。ドル・円相場も1ドル=95円ちょうどを突破し、一時、94円99銭と今月1日以来、約3週間ぶりの円高値を付けた。

  みずほコーポレート銀行国際為替部の時田剛調査役は、円高の背景について、「これまで買われていたものが売られ、売られていたものが買われている。資産市場をみるとこれまで堅調だった株や商品に売り基調が出ていて、逆に債券が買い戻されている」と指摘。その上で、「確かに世銀のレポートの影響もあるが、単純なポジションの解消で、6月にファンドの決算を控えているという時期的な影響も強い」との見方を示した。

  一方、米国ではきょうから米国債の入札が始まるほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の日程で開催される。時田氏は、FOMCについて、国債買い入れプログラムに何らかのてこ入れがあるのかどうか、また金融緩和策の「出口戦略」についてどのような見解が示されるかがポイントになるとしている。

          リスク資産投資の巻き戻し

  前日の海外市場では世界銀行が今年の世界経済成長予想を下方修正したことをきっかけに、欧米株が大幅安となった。23日のアジア株式市場も日本株をはじめほぼ全面安となっている。

  大和証券SMBC金融市場調査部のチーフFXストラテジスト、長崎能英氏は、世界景気の先行きがそれほど良くないとの見方が戻ったといい、「株や原油相場などリスク選好的な投資がはがれていっている状況で、これまで期待先行で動いていたところの巻き戻しが起こっている」と解説する。

  リスク投資への警戒感が強まるなか、外国為替市場ではこれまでユーロなど相対的に金利の高い通貨に振り向けていた資金を円やドルに巻き戻す動きが加速。ユーロは対ドルでも軟調に推移し、前日の海外市場で付けた安値の1ユーロ=1.3827ドルをうかがう展開となった。

  また、商品相場の下落を背景に資源国通貨が下落。オーストラリア・ドルは対米ドル、対円で5月28日以来、約1カ月ぶり安値を付けた。

       FOMC、米国債入札-米金利動向注視

  債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のファンドマネジャー、ポール・マカリー氏は22日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、FOMCが23、24日の会合後に発表する声明では、政策金利をしばらく維持することを強調する方向に文言が修正されるとの見方を示した。

  シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、前回3月の会合で9月までの国債買い入れを決めているため、「このタイミングで大幅な政策変更は考えにくく、『出口論』もやや時期尚早」と指摘。FOMCは「極力、市場にインパクトを与えない形にする」とした上で、金融緩和の継続が示唆され、FOMC後に米長期金利が低下すれば、「市場の安心感につながり、ドル・円はレンジ、ドル安・高金利通貨高の流れに戻る」可能性があるとしている。

  一方、米財務相は23日の2年債400億ドルを皮切りに、24日に5年債370億ドル、25日に7年債270億ドルの入札を行う。

  尾河氏は、「これまで入札が好調だったことを考えれば特に問題はなさそうだが、万一不調だった場合には長期金利が上昇し、『悪い金利上昇』とみなされて株安・ドル安になる可能性がある」と指摘。また、この日発表される米中古住宅販売件数については、「数字が悪かったときのネガティブサプライズには注意したい」と語る。

  ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、5月の米中古住宅販売件数は年率482万戸(予想中央値)と、4月の468万戸から3%増加し、昨年10月以来の高水準になったと予想されている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya hkomiya1@bloomberg.net