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【日本株週間展望】高値圏で推移、海外勢の見直しや過剰流動性続く

  7月6日(ブルームバーグ):7月第2週(6-10日)の日本株相場は、高値圏で推移する見通し。米国や中国の景気回復期待を背景にグローバルな運用を行う機関投資家のリスク許容度が上昇、日経平均株価で1万円を固める動きとなりそうだ。

  パルナッソス・インベストメント・ストラテジー代表の宮島秀直ストラテジストは、「過剰流動性増加率が4%あれば世界の株式が上昇すると言われる中で、直近の伸び率は11%に達する。世界にはいまだ金が余っているのが現状だ」と指摘、日経平均は株式好需給を支えに1万1000円を上抜ける展開が期待できるという。

  経済協力開発機構(OECD)参加国の通貨供給量の伸び率から同GDP成長率を引いて求める過剰流動性増加率のチャートは、2004年3月の1.14%を底に右肩上がりで上昇、09年3月には過去最高の12.17%を記録した。直近4月でも11.44%と高原状態だ。

  米金融サービス大手ステート・ストリートが6月30日に公表した6月の世界の機関投資家の信頼感指数は115.5と6カ月連続で改善し、約1年ぶりの高水準となった。同調査の開発に携わったケン・フルート・ハーバード大学教授は、過去3カ月間同指数が100を上回っていることは「機関投資家がリスク資産を増額していることを表す」とし、「依然として将来を楽観している」と結論付けた

  宮島氏は7月に入り、英ロンドンやエディンバラで大手ヘッジファンド・マネジャーや年金運用者らと会い、彼らが欧州の株式資産を圧縮し、現状はアンダーウエートの日本株を買い増す意向を持っていることを感じたという。同氏によると、「PBR(株価純資産倍率)の低い日本のタッチパネル関連銘柄やLED関連株を拾おうとしている」という。

        ETF決算、7月後半の下げ警戒

  一方、大和総研の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、2日の投資家向けメモで、「7月第2週で株式市場は佳境を迎える可能性がある」との見方を示唆。同週に多くの株価指数連動型のETF(上場投資信託)が決算、分配金の支払い確定日を迎える関係上、配当落ち後の7月後半の下げを警戒するよう促している。

  木野内氏は、過去20年間の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数の新規受注のチャートと日経平均株価を相対比較し、ISMの新規受注が日経平均の先行指標となっていると指摘。米景気の底入れ後に再度下落することが多かった日経平均の今後について、ISMの新規受注変調で注意が必要とした。

  1日に発表された6月のISM製造業景況指数は44.8と、事前予想(44.9)並みを確保したが、新規受注は49.2と前月の51.1から低下し、楽観論者の期待を裏切った。BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、マイケル・グレゴリー氏は「状況は悪くなくなってきている。恐らく7-9月期のどこかで景気は転換点を迎える」と話す。

       年後半の米景気、国内デフレは懸念要素

  草野グローバルフロンティアの草野豊己代表は、日本株相場が9月から10月にかけて反落し、長期停滞期に入ると読む1人。同氏は、「今の好需給を支えているのは高値で買った向きの押し目買いなどで、付和雷同の買いだ」と強調、3月の世界的な株価底値圏で買いを入れたヘッジファンドらの意思的な買いとは対極にあり、相場が下落基調に転換すると、売りに回りやすいという。

  草野氏は、今回の米景気後退は米国主導の経済循環が崩壊したことに起因する未曾有の危機で、過去の米国の景気回復を主導した個人消費と住宅投資の2つが力強さを欠く現状から、「過去のパターンで物事を考えると手痛い目にあう」と警鐘を鳴らす。

  DIAMアセットマネジメントの小出晃三チーフエコノミストは、「減税にもかかわらず米国の消費が伸び悩んでいるのは、逆資産効果が出ているためと思われる。年末までこうした傾向が改められなければ、米国や日本で企業業績予想の下方修正が相次ぐ」と予測する。

  国内企業の業績も、市場の予想ほどに改善していないもようだ。1日公表の日本銀行の企業短期経済観測調査(日銀短観、6月)は、大企業・製造業の業況判断DIがマイナス48と、事前予想(マイナス43)より改善幅が小さかった。特に日銀が注目する需給ギャップ関連の指標は足元で悪化、雇用人員判断DI(全規模・全産業)、生産・営業用設備判断DIとも過剰を示した。

          小売企業の価格戦略を注視

  日本の需給ギャップは直近四半期(09年1-3月期)がマイナス8.2%で過去最高、45兆円程度の需要不足が起きている状態にある。国際通貨基金(IMF)が作成したデフレリスク指数を基に日本がデフレに陥るリスクは0.7程度。「高い」に分類される0.5を大きく上回る。

  7月2週も、国内では小売大手の第1四半期(3-5月)業績発表が相次ぐ。6日はファミリーマート、ハニーズ、7日にイオン、サイゼリヤ、吉野家ホールディングス、9日にファーストリテイリング、10日に百貨店大手のJフロントリテイリングなどが開示する予定で、各社の商品戦略や価格政策に関心が集まる。

  このほか日本株相場に影響を与えそうな材料は、6日に米オバマ大統領がロシアを訪問、7日にはIMFが世界経済見通しを公表、8日は世界的アルミメーカーの米アルコアの決算、9日に米新規失業保険申請件数の発表などが予定されている。


【市場関係者の当面の日本株相場の見方】
●第一生命保険株式部国内株式グループ課長の伊藤弘康氏
  「株価純資産倍率(PBR)など投資指標面の割安さに着目した
買いを3月中旬以降に集めてきたが、株価回復に伴い足元では割安感
が薄れ、当面は現状水準での一進一退が予想される。相場が再び上昇
に向かうのは、4-6月期決算が本格化する7月下旬以降だろう。自
動車や電機セクターでは在庫調整の進展が確認されており、業績底入
れが明確化しそうな輸出関連や素材業種が相対的に有利」

●みずほ証券エクイティ調査部三浦豊シニアテクニカルアナリスト
  「9月上旬くらいまでボックス相場になると見ている。テクニカ
ル上は1万500円付近に節があり、この水準を上値にした動きにな
ろう。今週末算出されるオプションの特別清算値(SQ)を終値で上
回れば、上抜けることはあるかもしれないが、次第に上値は重くなり、
当面は米経済指標や為替動向を見極めながらの高値圏もみ合いが続き
そう」

●SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦次長
  「上値、下値とも身動きがとれず、今週は日経平均9500円-1
万100円のレンジ相場と予想する。今回の景気循環がどこかで息切
れするとの警戒が根強い上、バリュエーションも過去や他市場に比べ
て割高感があり、いったんは売りに振れやすい相場環境だ。全般は動
きづらく、環境やスマートグリッド、クラウドコンピューティング関
連など材料株に投資対象が向かいやすい」

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 鷺池 秀樹  Hideki Sagiike hsagiike@bloomberg.net