6月22日(ブルームバーグ):東京株式相場は続伸。クレディ・スイス証券が業界判断を引き上げたビール業界を中心に食品株が買われ、景気対策効果が期待された建設株も高くなった。明電舎や井関農機といった、株価が中低位の環境関連の一角も上昇。
中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長は「金融危機が終わり、外国人や個人などのマネーは株式市場に向かっている。日本株はアジア諸国に比べて出遅れ感がある」との見方を示した。ただ、大きな上昇をけん引した業種が息切れするなかでは次の柱を見つけづらく、「そうした環境下では出遅れ業種が投資対象になりやすい」という。
日経平均株価の終値は前週末比40円1銭(0.4%)高の9826円27銭、TOPIXは3.51ポイント(0.4%)高の922.48。東証1部の値上がり銘柄数は1189、値下がり415で、全体の7割が高い。
週明けの日本株は、午前は方向感が出にくい状況だったが、円高一服やアジア株の上昇が後押しして日経平均は結局3営業日ぶりに終値で9800円台を回復。「1万円達成後は利食い売りモードではあるが、小動きとなってひと安心」と、BNPパリバ証券の平塚基巳ストラクチャード・ソリューション部部長は話していた。
アジアでは中国の上海総合指数が年初から60%高、インド・ムンバイSENSEX30種指数が52%高、韓国総合株価指数は24%高となる一方、日経平均の上昇率は11%程度にとどまる。みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「日本は景気と業績の改善モメンタムがアジアと変わらないが、アジア株との比較感では出遅れている」と指摘。海外投資家は日本株を極端なアンダーウエートにしているため、「修正されやすくなっている」と見る。
食品や建設は終日堅調、リターンリバーサルも
出遅れ修正の動きが強まる中で、投資資金は食品株や建設株といった内需関連株に向かった。クレディ・スイス証券では19日付で、ビール業界の投資判断を「アンダーウエート」から「マーケットウエート」へ引き上げた。また、22日付の日本経済新聞朝刊によると、政府の経済対策効果から公共投資が大幅に増えているという。東証食料品指数と建設業指数はともに業種別上昇率上位となった。
TOPIXが年初来安値を付けた3月12日から先週末までの東証業種別33指数で、上昇率が劣るのは空運、電気・ガス、その他製品、ゴム製品、医薬品、水産・農林業、パルプ・紙、陸運、倉庫・運輸関連、食料品。このうち電気・ガス、ゴム製品、倉庫・運輸関連、食料品がこの日の上昇率上位に入った。
このほか、個別の環境関連株に対する投資意欲もおう盛だった。「ハイブリッド関連で富士電機ホールディングスが人気化するなど環境はテーマ性に広がりがあり、個人中心の買いを支えに全体で値上がり銘柄数が多くなる要因となっている」(明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリスト)という。
売買エネルギーは盛り上がらず
一方、先週末のニューヨーク原油先物価格が反落したことで、在庫評価益などの収益期待の後退で大手商社や鉱業など資源関連株は下落。日経平均は取引終了にかけて伸び悩んだ。23、24日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、東証1部の売買代金は概算で1兆5415億円と、先週の1日平均1兆7200億円には届かず、市場エネルギーも低調だった。売買高は21億4803万株。
MU投資顧問の森川央シニアストラテジストは、「景気のリバウンドは行き過ぎた減産の反動と市場参加者は分かっており、景気はしょせん低空飛行にある」と指摘。回復の持続性に確信が持てず、「マーケットは慎重になっている」と見ていた。
富士電機Hが急騰、パイオニアは下落
個別に材料が出ている銘柄では、新型の電力制御用半導体を共同開発する、と22日付の日本経済新聞朝刊が伝えた富士電機ホールディングスと古河電気工業が急伸。排出ガス規制に対応するため三菱重工業とディーゼルエンジンで協業する井関農機も売買を伴って大幅高となった。10年2月期の連結営業利益予想を9%増額修正したニトリは反発。
半面、ホンダを割当先とする約25億円の増資手続きを延期すると19日に発表したパイオニアが下落。09年12月期の連結純利益が前期比77%減に落ち込む見込みとなったHIOKIは5日連続安。東証1部値下がり率上位には、ツガミや住友商事、日本電気硝子、エルピーダメモリなどが入った。
新興市場は高安まちまち
新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前週末比0.29ポイント(0.6%)安の47.61と3日ぶり反落。半面、東証マザーズ指数は14.19ポイント(3.3%)高の439.22と3日ぶりに反発し、大証ヘラクレス指数は13.53ポイント(2.1%)高の652.25と続伸。
個別材料銘柄では、大阪証券取引所が7月からサービスを開始する予定の外国為替証拠金取引「大証FX」で、マーケットメーカーとして参加するマネーパートナーズグループが値幅制限いっぱいのストップ高。すい臓がんの発生で生じる物質の測定に使用できる抗体や、その抗体を利用した診断方法に関する特許が日本国内で成立したトランスジェニックもストップ高。16億円を投じて自己株19.87%を取得するMonotaROは大幅続伸した。
一方、メリルリンチ日本証券に新株予約権を発行するアクロディアは希薄化懸念で急落。売買代金上位では楽天、セブン銀行、フリービットなどが下げた。
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