7月6日(ブルームバーグ):元従業員が自己勘定取引用ソフトウエアのコード(技術情報)を盗んだとして逮捕された米金融サービス会社ゴールドマン・サックス・グループは、同コードへの投資が無に帰す可能性があるばかりか、盗まれた情報が悪用され取引上の優位性が低下すればさらに数百万ドルの損失を被り得る。連邦検事補が4日、法廷で明らかにした。
米当局によれば、元ゴールドマンのコンピュータープログラマー、セルゲイ・アレイニコフ容疑者(39)は3日、米ニュージャージー州のニューアーク・リバティ国際空港で逮捕された。米国とロシアの市民権を持つ同容疑者は、トレーディング用ソフトウエアを盗んだ罪で刑事告発された。
4日のマンハッタンの裁判所での手続きで、ジョセフ・ファッチポンティ連邦検事補は連邦裁判事に対し、アレイニコフ容疑者が行ったとされる窃盗によって米市場はリスクにさらされたと指摘。数百万ドルの価値があるコードを同容疑者がドイツのコンピューターサーバーに移し、既に他の人々がアクセスした可能性があるとして、このソフトウエアが広く流出した場合、ゴールドマンは損害を受ける可能性があると説明した。
同連邦検事補は「プログラムの使用法を理解する者が乱用し、不正な方法で市場を操作する危険について、ゴールドマンはその可能性を指摘している」とした上で、「ドイツでプログラムのコピーは依然として存在しており、われわれは現時点では、他に誰がアクセスしているか分からない」と述べた。
ゴールドマンの市場シェアに悪影響
同検事補はさらに「一度流出してしまえば、誰でも利用可能になり、ゴールドマンの市場シェアは悪影響を被るだろう」と付け加えた。
検察官は書面で、自己勘定取引用コードによりゴールドマンは「さまざまな株式・商品市場で大量の高度な取引を迅速に」行うことができ、毎年、巨額の利益を上げていると指摘した。
一方、アレイニコフ氏の代理人、サブリナ・シュロフ弁護士は法廷で、アレイニコフ氏への容疑は「ばかげている」と言明。ゴールドマンは、アレイニコフ氏が自宅で作業するために自身のパソコンにプログラムをダウンロードしていることを知っており、同氏はコードを流出させてはいないと主張した。
ゴールドマンの広報担当マイケル・デュバリー氏は、この件に関するコメントを控えた。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 城塚 愛也 Aiya Shirotsuka ashirotsuka@bloomberg.net Editor:Akiko Kobari記事に関する記者への問い合わせ先:David Glovin in New York federal courtat dglovin@bloomberg.net and;Christine Harper in New York at charper@bloomberg.net .