6月15日(ブルームバーグ):東京株式相場は反落。普通株の公募増資が当初予定を上回る見通し、と一部で報じられた三井住友フィナンシャルグループを中心に銀行株が安い。HOYAやキヤノン、トヨタ自動車など輸出関連株も売られ、海外商品先物相場の下落を受けて住友金属鉱山、国際石油開発帝石など資源関連株も軟調。
半面、不動産など内需関連株に資金が向かい、東証1部市場の値上がり銘柄数は1014と、値下がりの582を大きく上回った。
日経平均株価の終値は前週末比96円15銭(1%)安の1万39円67銭。TOPIXは同3.72ポイント(0.4%)安の946.82。
ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男専務は、「正直に言うと、今は様子を見たい。国内の企業業績は1-3月より4-6月は確実に良くなっているが、7-9月以降が見えない。1-3月に在庫調整が終わったとはいえ、実需の戻りが不透明だ」と話していた。
前週末に終値で8カ月ぶりに1万円の大台を回復した日経平均だが、週明けのこの日は戻り一服となった。米S&P500種株価指数がもみ合うなど、力強さに欠けた前週末の米株式相場の動きを受けた格好。3月に付けた安値からの上昇率が日経平均、S&P500とも4割を超え、さらなる上値を追う新規材料に乏しい状況となっている。
TOPIXニューインデックスシリーズの動きを見ると、コア30、ラージ70指数の下げが目立ち、時価総額の大きい銘柄が相対的に軟調だった。中でも指数を押し下げたのが銀行株。13日付の日本経済新聞朝刊は、三井住友Fが月内実施に向けて調整している普通株の公募増資が当初予定の8000億円を上回り、9000億円超に達する見通しと報道。株式需給の悪化懸念などから三井住友Fは下げ、東証1部の売買代金1位となった。金融株では、東京海上ホールディングスなど保険株も安い。
一部の経済指標などで欧州景気動向の悪化が示され、輸出関連株も売りに押された。12日に発表された4月のユーロ圏鉱工業指数は前年同月比21.6%低下と、1986年の統計開始以来で最大の落ち込みとなった。また、14日の英紙デーリー・テレグラフ(オンライン版)によると、ドイツ商工会議所(DIHK)は、同国製造業の大半が一段と深刻な信用ひっ迫に見舞われる見通しと警告。欧州経済の不透明さは、同地域での売上比率が高い精密機器セクターなどの売り材料になった。
1万円は下回らず
もっとも、日経平均は1万円の大台を一度も下回らず、投資家の下値での買い意欲の強さはうかがえた。1万円の大台を固める動きとなる中、「資金は内需の出遅れている業種に向かった」(東洋証券の大塚竜太情報部長)。
上げが目立ったのが不動産。大和総研は12日付で、不動産のセクター判断を「ニュートラル」に引き上げ、住友不動産を「4(アンダーパフォーム)」から「1(買い)」に3段階、東急不動産を「4」から「3(中立)」に1段階上げた。不動産指数は東証業種別33指数の上昇率2位。住友不、東急不のほか三井不動産、三菱地所はいずれも年初来高値を更新した。
ペンガナ・キャピタルのポートフォリオマネジャー(シドニー在勤)、ダイアン・リン氏は「内需拡大のための政府による経済政策が相次ぎ、日本の景気動向は安定してきている」と指摘。不動産株については、「今後数週間は順調だろう」と話している。東証業種別33指数は16業種が下落、17業種が上げた。東証1部市場の売買代金は1兆7548億円、売買高は24億9702万株。
CECが大幅安
個別では、IT投資の先送りや、新たに発生した不採算プロジェクトの引き当てなどの影響から、10年1月期の連結純利益予想を13億円から2億円へ引き下げたシーイーシーが大幅安。米フィラデルフィア半導体指数の続落を受け、需要懸念から東京エレクトロンやSUMCOなど半導体関連株の下げが目立った。
半面、改正建築基準法施行の影響が一巡して建設受注が伸び、09年4月期の連結純利益が前の期比44%増となった東建コーポレーション、英葉たばこサプライヤーのトライバック社を買収すると発表したJTがいずれも年初来高値を更新。クレディ・スイス証券が「アンダーパフォーム」から「中立」に投資判断を上げた荏原も買われた。
新興3市場は上昇-不動産株の上げ目立つ
一方、国内の新興3市場は軒並み上昇。東証マザーズ指数、大証ヘラクレス指数はいずれも4日続伸し、連日の年初来高値を更新。「個人投資家の資金が値動きの良い新興銘柄に向かっている」(東洋証券の大塚氏)という。ジャスダック指数は前週末比1.5%高の47.82、東証マザーズ指数は同2.9%高の433.07、大証ヘラクレス指数は同2.3%高の656.50。
個別では、レーサムが大幅高となるなど新興不動産株の上げが目立った。09年10月期の第2四半期(08年11月-09年4月)の連結営業利益が前年同期比2.4倍となった京王ズホールディングスがストップ高比例配分。半面、09年7月期の連結最終赤字が拡大する見通しのエム・ピー・ホールディングスは大幅反落。
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